コソの出来事

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January 20, 2016 | Grace Coddington to Step Down at American Vogue
2016.01.21 Thursday
 Anna Wintourと共にいまのUS Vogueのかたちをつくりあげてきたクリエイティヴ・ディレクターのGrace Coddingtonが退任という大きなニュースが。

 クリエイティヴ・ディレクターは退く今年74歳のGrace Coddingtonは、年内はクリエイティヴ・ディレクター・アット・ラージとして、同誌のシューティングに携わるとのこと。今後はMatthew Moneypennyが設立したばかりのGreat Boweryがエージェンシーとなり、まずはComme des Garçonsの新しいフレグランスのプロジェクトなどに関わるとのこと。ちなみにこのGreat Boweryですが、Bruce WeberやAnnie Leibovitzらも抱える要注目のエージェンシーです。

 1988年のAnna Wintourの編集長就任とともにクリエイティヴ・ディレクターとなったわけで、ふたりの雑誌づくりの様子は話題となった映画の"The September Issue"でも描かれていましたが、Coddingtonの年齢もさりながら、Condé Nast全体のアーティスティック・ディレクターでもAnna Wintorのもとで変革が進む同社の現在をある面では象徴的に示す出来事なのかもしれません。他にもPhyllis PosnickやTonne Goodmanら、すでに15年や20年以上といった長さでVogueに関わっているベテランも、徐々に若い世代へとバトンを渡していくフェーズに入っているのかもしれませんね。

 まだまだ今年いっぱいはVogueでのGrace Coddingtonのお仕事は見れますし、これからも彼女の活躍を楽しみにしたいと思います。

■ Grace Coddington to Step Down as Creative Director of American Vogue (Business of Fashion)
■ Grace Coddington, Accidental Celebrity of ‘The September Issue,’ Steps Down at Vogue (The New York Timse)
■ The Man Who Would Make the World a Prettier Place (The New York Times)
| Fashion/Mode | 02:12 | comments(0) | - |
January 19, 2016 | Paco Rabanne Opens Paris Store
2016.01.21 Thursday
 Paco Rabanneが14年ぶりとなるブティックをParisの12 Rue Cambonに750 平方フィートでオープン。Puig傘下のPaco Rabanneは、ファウンダーであるPaco Rabanne本人の退任後はデザイナーが定着せず低迷していましたが、2013年にJulien Dossenaがクリエイティヴ・ディレクターに就任してからは、モダンでスポーティなテイストをベースにメゾンのフューチャリスティックなアーカイヴを巧く組み合わせ、新たなイメージの構築に成功しつつあります。

 Julien DossenaはBalenciaga時代のNicolas Ghesquièreの下で活躍した後、自身のブランドのAttoをスタート。若手デザイナー支援のプログラムとしては、既に最大の注目度となっているLVMH Prizeの最初のファイナリストのひとりにも選ばれています。Paco Rabanneのクリエイティヴ・ディレクター就任に伴い、Attoを休止することとなったため、最終選考は辞退する形となりましたが、個人的には最有力候補だったと思っています。

 そんなJulien Dossenaをビジネス面で支えるのがCélineからスカウトされたゼネラルマネージャのAnouck Duranteau-Loeper。Parisに続き今年はLondonにもブティックをオープン予定で、その先にはUSへの展開も計画しているとのこと。LAが有力な候補のようです。売上もこの1年の5百万ユーロから向こう12ヶ月から18ヶ月で倍に伸びる見込み。今回オープンするParisのブティックで1百万ユーロを売り上げる予測となっているようです。

 またオンラインコマースもスタート。まずは欧州から対応し、北米はBarneysに卸し、その他の地域はFarfetchでカバーという形になります。こういったところでFarfetchを活用するのが、いまのやり方ということになるわけですね。

 親会社のPuigのメインのビジネスはフレグランスですが、昨年はNina RicciにCarvenからGuillaume Henryを迎え、Jean Paul Gaultierを買収するなど、フレグランスに強みのあるブランドのファッション部門の強化に本格的に取り組み始めています。今週は、Carolina Herreraでもセールス面での幹部採用が発表されていました。

 クリエイティヴとビジネスの両軸がうまく回り始めているPaco Rabanneに今後も注目したいと思います。

■ Paco Rabanne Revs Up With Paris Store, E-commerce (WWD)
■ Carolina Herrera Ltd. Taps d’Estienne d’Orves to Build Global Sales (WWD)
| Fashion/Mode | 02:11 | comments(0) | - |
January 18, 2016 | Adidas Names Henkel's Kasper Rorsted as CEO
2016.01.21 Thursday
 Adidasが新CEOに消費財大手のHenkelのCEOを務めるKasper Rorstedを指名。Kasper RorstedはHenkelを4月30日に去り、8月にAdidasにジョインし、10月1日から正式にCEOに就任するというスケジュールです。

 2001年にAdidasのCEOとなった現任のHerbert Hainerは、在任中に売上を3倍に伸ばしAdidasをグローバルなブランドへと成長させた立役者です。ただこの2年あまりは、成長の鈍化により中期計画の変更を余儀なくされ、最大のライバルであるNikeとの差が開く一方で新興のUnder Armourが背後に迫ってくるという厳しい状況にありました。昨年からHerbert Hainerの任期を2017年までとし、その間にUSでの商品開発の強化やマネジメント陣の刷新などを進めつつ、CEO探しを進めてきた結論が今回のKasper Rorstedの起用ということになります。2015年から続くBoostモデルやKanye Westとのコラボレーションのヒットがある意味では花道ということになるかもしれません。

 いずれにしても、内部からの大きな改革は難しいだろうという(いかにもドイツらしいということになるかもしれませんが)評判どおり、外からのトップ起用でどれだけスピーディに再び成長軌道に乘せていけるかに注目したいところです。

 ちなみにKanye Westとのコラボレーションの裏話などが出ていましたので、ご参考いただくとよいかと。

■ Kasper Rorsted Named Adidas CEO (WWD)
■ Hans Van Bylen Appointed Henkel CEO (WWD)
■ Adidas' Jon Wexler Discusses Kanye West, Yeezy Series & Facts (Nice Kicks)
| Fashion/Mode | 02:08 | comments(1) | - |
January 15, 2016 | Burberry & Richemont’s Mixed Q3 Result
2016.01.21 Thursday
 BurberryとRichemontが第3四半期の業績を発表しています。

 ここ数四半期は特に中国圏の落ち込みにより、業績が停滞していたBurberryの売上は603百万ポンドと前年同期比と横ばい。ただ20%減の香港や澳門など中国からの観光客が成長の源泉だったエリアは厳しい状況が続いているものの、中国本土と韓国は持ち直しているようです。Christopher Baileyは一番難しいタイミングにクリエイティヴのトップに加えてCEOを兼務するという、創業者ではないデザイナーとしてはきわめて珍しいポジションに就いたわけですが、マクロ環境の影響が大きいとはいえ、もし今後の成長戦略が巧く描きにくい状態が続くとなると、将来に色々と影響が出てきてしまうかもしれません。

 Richemontの第3四半期の売上は、前年同期比で3%減の29.3億ユーロ。特に欧州の観光客と香港を中心とするAPACの時計需要の落ち込みが引き続き響いているようです。USもあまり強くはなく、端的には海外旅行先での消費を含めた中国人全体の動向が鈍っていることが原因ということになるかと思います。一方でジュエリーが好調だったことで、売上の減少もこの程度ですんでいるという図式。その他の個別のブランドでは、ChloéやPeter Millar、Montblancが順調に推移しているとのこと。

 年明けから国際情勢も不安定で、株式市場や原油価格も下落傾向にあるなか、今年も序盤は引き続き大きな成長を見込むのは難しそうですね。

■ Burberry Q3 Retail Sales Flat as Mainland China Perks Up (WWD)
■ Richemont’s Q3 Sales Dip 3% as Europe Tourism Ebbs (WWD)
| Fashion/Mode | 01:48 | comments(0) | - |
January 14, 2016 | Misha Nonoo to Forego a Runway Show in Fashion Week
2016.01.21 Thursday
 ちょうど2月からの各都市の2016年秋冬のファッションウィークのスケジュールが確定するタイミングということもありますが、先日来ご紹介しているRebecca MinkoffやSaint Laurentに続き通常とは異なる発表形式を選ぶデザイナーが。

 Misha Nonooは、2016年春夏のコレクションのInstagramでの公開が好評で、ビジネス的にも問題なく推移したことを受けて、2016年秋冬もランウェイショーは行わないことを明らかに。今回も一般向けにはInstagramでルックを公開し、バイヤーやメディア向けにはショールームでコレクションを見せるという形式となります。時期はもちろんNYのファッションウィークと合わせて2月に。

 Misha Nonooの場合は販売チャネルのうちオンラインコマースの占める割合が、プロモーションを行っていないにも関わらず20%と高く、ユーザとダイレクトにつながっていることが、こうした選択肢を取りやすくしている大きな理由のひとつではあるかと思います。様々な場所で書いていることでもありますが、ビジネス的にMisha Nonooのようなフェーズのデザイナーにとっては、費用も時間もかかるランウェイショーを実施するよりも堅実で効率的といえることは確かですよね。

 近く発表されるであろうCFDAがBoston Consulting Groupに依頼している調査結果の内容がこの傾向を加速するかもしれませんが、ブランドやデザイナーがそれぞれ最適なコレクションの発表形式をより柔軟に選択していくケースが今後も増えそうです。
| Fashion/Mode | 01:26 | comments(0) | - |
January 13, 2016 | Saint Laurent to Present Fall Collection in LA
2016.01.14 Thursday


 ブランドやデザイナーがコレクションをどういった場でどういった手法で見せていくべきかという問題は、ここ数年加熱するコレクションのサイクルやファッションウィークのスケジュールの過密化、またインターネットやソーシャルメディアの普及による情報消費のスピードの加速で、コレクション発表と販売のタイミングのずれに対する違和感が大きくなってきていることもあり、ファッション・システムの根幹に関わる課題として、これまで以上に様々な議論がなされるようになってきています。デザイナー側も、DiFaの2015年のまとめの後編でご紹介したTom FordやMisha Nonooの事例や、また先週のRoundupで触れたRebecca Minkoffの一般消費者も招待したインシーズンのコレクションのショーなど、それぞれ独自に新たな試みに取り組み始めました。

 そんな中、Saint Laurentが2016年秋冬のメンズのコレクションとウィメンズのコレクションの"Part 1"のショーを、NYのファッションウィークが始まる前日の2月10日にLAのPalladiumで行うことを発表。メンズはもともとParisのファッションウィーク期間中の1月24日に予定されていたのですが、これまで使われてきた会場はキャンセルされているようです。ウィメンズについては、通常のParisのファッションウィーク期間中の3月7日に"Part 2"としてショーで見せるとのこと。

 2008年からLAに住み、2012年にSaint Laurentに招かれてからそのスタジオもLAにつくってしまった、クリエイティヴ・ディレクターのHedi SlimaneのLAへの想いが結実した結果という雰囲気。またHedi Slimane Diaryの10周年ということもあり、新たに動画による"Music Portrait Video"という形でのキャンペーンも。

 ただ気になるのは、年初に出たHeli SlimaneがSaint Laurentとの契約を更新しないのではという噂が再びメディア(しかもWWD)に登場しており、しかも今回は後任の最有力候補としてAnthony Vaccalleroという具体的な名前まで挙がっているということ。このLAのショー関連の集大成感がかえってこの噂に真実味を与えている部分もあり、真相が非常に気になるところではあります。個人的には、Anthony Vaccalleroはほぼデビュー時からずっと推しているデザイナーなので、それはそれで楽しみではあるのですが。







■ Saint Laurent Will Present its Fall Collection in Los Angeles Before Fashion Week (Fashionista)
■ Hedi Exiting YSL? Vaccarello Said in Wings (WWD)
| Fashion/Mode | 02:00 | comments(0) | - |
January 12, 2016 | Brunello Cucinelli Revenues Up 16.3% in 2015
2016.01.13 Wednesday
 Jimmy ChooやMonclerにPrada、Michael Korsなど、ここ数年相次いだラグジュアリーブランドのIPOですが、その中でも安定して好調な実績を残しているのがBurunello Cucinelli。2015年の売上は速報値で前年比16.3%増の455.4百万ユーロ。為替変動を差し引いても9.5%成長となっています。

 地域別の売上を見ていつも思うのはそのバランスの良さ。トレンドに左右されるようなブランドではないですしまた価格帯もどのカテゴリでも高めということもあると思うのですが、成長ペースも中国やアジアに偏り過ぎない形になっています。具体的には本国であるイタリアが19.4%でこちらは3.7%成長。イタリアを除く欧州は売上全体の31.1%を占めこちらは前年比10.4%の成長。北米が最大市場で37.8%のシェアとなり前年から27.5%増。中華圏は6.2%のシェアで23.4%成長、その他地域は残りの7.7%で前年比18.2%増となっています。

 直営の小売ネットワークは30%増で全体の46.6%にまで増加し、こちらは直営店のオープンが効いている感じ。2013年からの約120百万ユーロの投資計画で主に直営店と拠点であるSolomeoの製造能力の拡大に力を入れてきましたが、2016年は"Great Internet Project"の一貫としてデジタル回りのプレゼンスの強化を中心に据えていくようです。

 今後も業績の推移に注目していきたいBurunello Cucinelliでした。
| Fashion/Mode | 01:08 | comments(0) | - |
January 11, 2016 | 73rd Golden Globe Awards
2016.01.12 Tuesday
 さて年も明けて映画関連の賞レースもスタートということで、まずはゴールデン・グローブ賞が発表に。賞の結果はこちらなど見ていただくとして、ひとまず個人的なレッドカーペットのベストを8人選んでみるなど。全般にシルエットはシンプルにという傾向は続きますね。


個人的にはドラマ部門の主演女優賞を獲得したBrie LarsonのCalvin Klein Collectionがベストかなー。ジュエリーはTiffany & Co.。次点は同賞ノミニーのRooney MaraのAlexander McQueenでしょうか。こちらのジュエリーはFred Leighton。
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Cate BlanchettはGivenchy Haute CoutureにジュエリーはTiffany & Co.でバッグはRoger Vivier。Lady GagaはAtelier VersaceとNeil Lane。
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Kate HudsonのMichael Kors Collectionもよくお似合い。ジュエリーはForevermarkでバッグはJimmy Choo。Jenna DewanのZuhair Murad Couture
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Taraji P. HensonのStella McCartneyにZendayaのMarchesa。
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 あとInez & Vinoodhがバックステージに設けられたミニスタジオでステージから帰ってきたウィナーやプレゼンターの面々を撮って上げていてこれもなかなかよい感じ。










@melissabenoist straight from our mini-studio backstage at the #goldenglobes ! Kisses iv #iggoldenglobes

A photo posted by Inezandvinoodh (@inezandvinoodh) on
















Here we are!!! Our portrait straight from our mini-studio backstage at the #goldenglobes ! Kisses iv #iggoldenglobes

A photo posted by Inezandvinoodh (@inezandvinoodh) on




 ちなみに日本のメディアはよくゴールデン・グローブ賞をアカデミー賞の前哨戦みたいに報じますけれども、投票主体が全然違いますしドラマ部門とコメディ部門に分かれているしで、ほとんど予想には役に立たないということだけは重ねてお伝えしておきますです。ノミニーの足切りとかの見当をつけるのには良いかもなのですけれども。今回みたいに特に主演女優賞あたりが結構混雑している場合は。
| Entertainment | 01:17 | comments(0) | - |
Weekly Roundup | January 4 - 10, 2016
2016.01.12 Tuesday
 まずは今週のデイリーのご紹介のおさらいを。

Louis Vuitton's Sping Ads Features “Final Fantasy” Heroine Lightning
Hedi Slimane & Karl Lagerfeld for V Magazine
BBDO Take Majority Stake in Wednesday Agency Group
HBC to Acuire Gilt Groupe for $250m


 その他に気になった話題をピックアップ。

■ Minkoff Outlines Plans for Consumer-Facing Show (WWD)
 CFDAが今後のファッションショーの在り方についての調査をBoston Consulting Groupに依頼しているという話題もありましたが、より具体的な動きがRebecca Minkoffから。インシーズンのショーを一般消費者を呼んで見せるというスタイルは既に前回のタイミングから試みられているのですが、2月の2016年秋冬のNYFW期間中により一歩進めた形に。ショーとしては2016年春夏に一部プレフォールのコレクションを織り交ぜたインシーズンをメインに、一般消費者も500人招待する形式に。秋冬のバイヤー向けのプレゼンテーションもこの期間中に行い、メディア向けには3月に別途またショーを開催する予定。売るタイミングと見せるタイミングを徐々に近づけるためにショーのスケジューリングを調整していく動きが本格化するかどうか、今後に注目ですね。

■ Grindr, the Gay Dating App, Hooks Up With Fashion (The New York Times)
 こちらもショーの見せ方に関わる部分ではあるのですが、J.W. Andersonが2016年春夏のメンズのコレクションを、色々と最近話題の多いGrindr限定でライヴストリーミングするというお話。“I think fashion is a sexy platform as well, ultimately. We’re all humans, so we all have to be somewhat sexually attractive to someone. That’s the name of the game, with clothing.”というデザイナーのJonathan Andersonのコメントはいかにも彼らしいなという印象。

■ Condé Nast’s Brides Offers ‘Private Access’ to Clients (WWD)
 昨年から廃刊やプリント誌からのデジタルシフトなどドラスチックに進めているCondé Nastですが、ウェディングドレス選びなどのコンサルティングサービスの提供を始めるようです。お値段は結構な額にはなるのですが、Skypeでの事前相談を経てCondé Nastのオフィスで朝食をとった後に具体的なドレスの試着に入るといったような流れ。ブライダル系だとこうしたサービスに結びつけやすいですが、記事を書く以上の役割がますます求められるようになってくるのだろうなと。

■ Marc Bolland to Step Down as CEO of Marks and Spencer (WWD)
 衣料部門を最終的に立て直しきれないまま退任という形になるので、本人的には不本意なのではないかなあとか。後任のCEOは好調な食料品部門のSteve Roweとなります。

■ Jaden Smith for Louis Vuitton: The New Man in a Skirt (The New York Times)
 別途ご紹介した内容ではありますが、Jaden SmithがスカートをはいてLouis Vuittonの最新の2016年春夏のキャンペーンに起用されていることについて、NYTのVanessa Friedmanが非常に適切な指摘を。そのままいくつか引用してしまいますが。
 "It’s not unisex. It’s not gender neutral or gender bending or gender free or any of the other expressions we’ve been using to describe the current clothes-fluid moment, because it is, in fact, entirely gendered, at least going by traditional definitions of men’s versus women’s clothing. The clothes and their conceptual allegiance have not changed at all. The person wearing them has."
 "there’s no question clothes are one way we order the world. We use them to tell if someone is male or female (or wants to be one or the other), what they do, how much money they have, what bands they like, what country they come from, etc."
 "They are part of the social contract. If that order is thrown up in the air, how will we know what snap judgments to make? How do we know how to interpret what we are seeing, if interpretation is based on outmoded definitions of identity?"
 "In the end, that may be the greatest factor mitigating against the complete dissolution of traditional boundaries between men’s and women’s wear, and it may also be the real message of this particular moment: We are entering the age of wear what you like."
 端的には、それが男性向けにつくられたものであろうが女性向けにつくられたものであろうと、good designはgood designであるし、そうしたものは自分のジェンダーが何であるかを気にせず着ればよいし、というのがJonathan Andersonがしばしばいうところの"wardrobe sharing"という自然な発想の根幹にあるわけで、なにか大仰なジェンダーがどうこうといった話とは根本的には別の軸なわけです。もちろんそうした発想をそのまま行動に移しやすい、社会的な様相の変化はあるわけですし、ファッションの記号的な規範の内容がそう簡単に書き換わるわけではないものの、これからメンタリティと共に徐々に変化していく部分なのだろうなと。ただ一方でそうはいっても(むしろそうであるからこそ)、こうした事象を捉えて性差は意味がないといって「ノージェンダー」などと呼ぶのは、また他に実際に起こっているジェンダーの問題に対してあまりにも無頓着に見えるかなと感じたりするのだよなと。

■ Why Dolce & Gabbana’s Hijab and Abaya Line Is So Important (The Cut)
 当然Dolce & Gabbanaが初めてというわけではないのですが、普通に素敵だなと思えるところが良いですよね。記事中に"What stands out in particular about Dolce & Gabbana's take is that it gives the lie to the idea that one can't follow trends and have fun with fashion while also following a religious dress code. It's not just about lowering hemlines and extending sleeves, but preserving the runway aesthetic that got everyone so excited in the first place."とあるとおり。
| Daily Digest | 00:08 | comments(0) | - |
January 8, 2016 | HBC to Acuire Gilt Groupe for $250m
2016.01.11 Monday
 少し前から噂にはあがっていましたが、Hudson's Bay Co. Inc.がUSでのファッション系フラッシュセールサイトのGilt Groupeを250百万ドルで取得することが明らかに。傘下のSaks Fifth Avenueのオフプライス業態であるOff 5thに組み込む計画のようです。

 HBCはこれまで保有していた百貨店チェーンのHudson's BayとLord & Taylorに加え、近年は取得した店舗の不動産運用も含めた買収攻勢でかなり積極的な拡大戦略を展開しており、2013年にはSaks Fifth Avenueを、2015年には欧州のKaufhofを取得。今回のGilt Groupeの取得で北米に関してはほぼフルラインが揃った印象です。次は欧州のオンラインコマース系をどこか取得するのではないかとちょっと思ってしまいますが。

 リーマン・ショックというタイミングもあり、新しい在庫処分先として急成長したファッション関連のフラッシュセールサイトですが、ここ数年は徐々に回復する景気やブランド側の在庫コントロールにダイレクトなチャネルの強化、また当初の勢いに任せた急激な地域や分野の拡大とその反動に伴う縮小で、明らかに業態としてのモメンタムは落ちている状況。早い段階でNordstromに買収されたHauteLookや、一度はNieman Marcus Groupの出資を受けたものの、ジュエリーの周大福や不動産開発の新世界発展を保有するChow Tai Fookに株主を替えて得意市場であるアジアにフォーカスを絞っているGlamour Sales、またGrouponに買収されたIdeeliなど、大手で独立を維持しているのはGilt Groupeだけとなっていました。

 フラッシュセールサイトブームの完全な収束とHBCの積極的な拡大戦略という、ふたつのポイントで象徴的な出来事ということで。特にHBCの動向は今後も注目ですね。

■ HBC Agrees to Buy Gilt Groupe to Expand All-Channel Push (WWD)
■ HBC Forms Real Estate JVs (WWD)
■ Richard Baker Puts Focus on HBC's Real Estate (WWD)
■ Hudson’s Bay to Announce Accepted Bid for Kaufhof (WWD)
| Fashion/Mode | 23:06 | comments(0) | - |