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2014.01.20 Monday

Daily Digest

Lunch with the FT: Adrian Joffe (Financial Times)
 Comme des Garçons Internationalのプレジデントで川久保玲氏の夫でもある、Adrian JoffeへのランチインタビューをVanessa Friedmanが。Joffeの経歴を辿りつつ、これといって目新しい印象の内容というわけではないのですが、記事の最後に紹介されている、Joffeの"We have our own special place in the system. Can you imagine a world where there was only Comme des Garçons? It would be terrible. We all have our role to play.”という言葉が率直だなと。


Gucci's Power Couple on the Future of the Brand (Wall Street Journal)
 Wall Street JournalがGucciのクリエイティヴ・ディレクターのFrida GianniniとCEOのPatrizio di Marcoをフィーチャーした記事を。Bottega VenetaのCEOのだったdi MarcoがGucciに移った経緯や、2人の最初の出会い、関係をボスであるKeringのオーナーのFrançois-Henri Pinaultに伝えた時の話題、9ヶ月になる娘のGretaについてなど、興味深い内容が盛り沢山。しかし何にしても大変ですね。これは。もちろんKeringやGucciの戦略についても触れられております。


Vogue‘s Response to Unretouched Lena Dunham Photos Is Awesome (Fashionista)
 "Girls"で人気のLena DunhamがVogueの2月号のカバーを飾り話題になりましたが、Jezebelがレタッチ前の画像の買い取りを告知。Jezebelは入手した画像を公開し、どの程度のレタッチが行われたかを分析。個人的にはこの程度であれば、という印象ではあるものの、わざわざハトを載せて撮っておきながら消してみたりとなかなか不思議なケースも。Vogueサイドは、Instagramでレスポンスしているのですが、もうさすがのひとことです。完全にVogueが上手ですね。そもそも背景の合成は、Annie Leibovitzはしばしば使う演出手法ですし、ボディイメージなどの問題はあるとしても、全てを撮ったまま載せるべきというスタンスなのであれば、そこには疑問も感じざるを得ないわけです。話題作りという観点ではおもしろい面もありますが。


The art of new beginnings (Financial Times)
 Venessa FriedmanのMarc JacobsとMiley Cyrusのイメージ転換戦略についてのコラムが秀逸。Miley Cyrusの昨年のメディアを騒がせた様々なアクションは、やはり周到に計画されたものなのだろうなと改めて。彼女の場合、Lindsay LohanやBritney Spearsの時のような、プライベートがout of controlな印象を受けないところにも、そうした雰囲気を感じます。またそのMiley Cyrusを巧く使い、フォトグラファーも長年キャンペーンを撮ってきたJuergen Tellerに替えてDavid Simsを採用した、Marc Jacobsの読みもさすがというか。数年後にIPOを控え、必ずしもビジネスサイドの理由からではないでしょうが、何かしらの変化の必要性を感じ取ったのかもしれません。"The one that Jacobs was so committed to, he chose Cyrus over Teller, and got David Sims to photograph instead. What did Jacobs understand that Teller did not? He saw the forest, not the trees."というFriedmanのこの書きぶりがまた強烈。続いて挙げられている、John GallianoのDior、Ricardo TisciのGivenchy、あるいはKim KardashianやKate Uptonら、当初は反発を受けながらも、瞬く間にファッションの承認システム(と私は勝手に呼んでいますが)の階段を駆け上がっていた事例も、イメージの転換の機会を与えつつ、それを全て取り込んで行ってしまうファッションのシステムのおもしろさを端的に示しているのではないかと。


Exclusive: LVMH Reveals the Forty Heavy Hitters on Its LVMH Prize for Young Fashion Designers Experts Panel (Style.com)
LVMH Names Fashion Designer Prize Panel (WWD)
 昨年LVMHがアナウンスした若手デザイナー支援のイニシアティヴのLVMH Prize for Young Designers。2月2日に応募が締め切られ、まずは30の候補者が選ばれます。そこからファイナリストを10組まで絞り込むのですが、その選考を担う40人の名前が明らかに。全リストは、Style Fileの記事をご覧いただくして、各メディアやリテールのトップ、スタイリストやフォトグラファーなど、これ以上ないのではないかというくらいの豪華なメンバーが揃っています。日本からは栗野宏文氏と祐真朋樹氏の2人の名前が。既に世界各国から400を超える応募が集まっているとのこと。結果が本当に楽しみですね。


Condé Nast Reports on First Quarter Ad Pages (WWD)
 Condé Nastのチーフ・レヴェニュー・オフィサーのLou Conaによる社内メモから、第1四半期の各誌の広告ページ数の状況が明らかに。Architectural Digest、Glamour、Condé Nastが10%代の増加と好調で、W、Details、Wired、Bon Appétitも5%以下ではありますが増やしています。Vogueはフラットながら、Teen Vogueが2桁減少に。またAllure、GQ、Lucky、Self、Vanity Fairが若干減らしているそうです。またデジタルの広告売上については、前年同期比で20%強の増加とされています。


Victoria Beckham Makes Two Big Moves (WWD)
 Victoria Beckhamが、LondonとNYで大きなリース契約を締結したという話題が、デザイナーとCEOのZach Duaneへの取材とともにWWDに。LondonはDover Streetの1万1千平方フィート。そのうち7千平方フィートが、同ブランド初のブティックとなります。メインのVictoria Beckhamに加え、Victoria Victoria Beckhamやアクセサリーなど全ラインナップが揃うとのこと。一方、NYはオフィススペースとしての契約で、Victoria BeckhamにとってUKに続く第2の規模の市場である、USの強化が目的。また、昨年スタートしたオンラインコマース限定で販売している、過去のベストセラーからなるIconsのコレクションがやはり好評のようで、SelfridgesからはポップアップにIconsを置いて欲しいという依頼があったとか。このブティックのロケーション探しや契約も、Skypeとのコラボレーションで製作中のドキュメンタリーが追いかけており、そちらの内容も楽しみですね。


Hunter to Show During London Fashion Week (WWD)
 ウェリントンブーツで知られるHunterが、フットウェアを中心に、アウターやニット、アクセサリーを加えてHunter Originalという新しいラインをローンチ。2月のLondonのファッション・ウィーク期間中にショーでお披露目します。また2015年の春に向けて、機能性や技術的な革新性に力点を置いたよりハイパフォーマンスなHunter Fieldというラインも計画。カテゴリ拡充で総合的なライフスタイルブランドを目指す動きはまだまだ続きそうですね。


FashInvest Interview: Chief Trunk (FashInvest)
 1898年に創業された、Chief stripeで知られるOshkosh Trunk。1962年に途絶えてしまったこのブランドが、昨年Chief Trunkとしてリローンチされています。新オーナーのKonrad Duchekとクリエイティヴ・ディレクターを務めるMichael SambranoとのQ&AがFashInvestに。まずはキャンバス地にシグニチャーのストライプをあしらったトートやウィークエンドバッグ、ポーチにウォレットからスタートしていますが、今後は"American Good Life"を体現するライフスタイルブランドとして、カテゴリを拡大していくとのこと。すべてBrooklynの工場で作られているそうです。リローンチ時には、VogueやEsqire、Leandra MedineのMan Repellerでも取り上げられるなど、期待値は高い様子。一度見たら忘れられないアイコニックなストライプの柄は、過去の映画でも多く見られるようで、”Made in America"やAmerican heritageなイメージの再評価という流れもありますし、今後に注目していきたいと思います。個人的にもトートは気になるアイテム。


Exclusive: Hood by Air Goes Online and Overseas (Style.com)
 Shayne OliverによるHood by Airがサイトをローンチ。併せてオンラインコマースもスタートしています。これまでなかったことが若干驚きというのはありますが。オンラインコマースではいまのところ、オンラインエクスクルーシヴのTシャツの扱いのみ。また、Pre-FallのプレゼンテーションをParisで行い、初のデニムやForfexとのコラボレーションもお披露目。2月のNYFWでの秋冬で第2弾も控えているようですよ。


Spain’s Next Zara? Fashion Label Desigual Speeds Global Growth (Business of Fashion)
 スペインのDesigualが急速に業績を伸ばしているという話題。2013年は4年前の2倍近い820百万ユーロの売上となり、10億ユーロが目前に。今後3年間は毎年20%から25%の成長を目標として、現在の400店舗のネットワークを、百貨店でのインショップやオンラインコマースと共に拡大していくそうです。市場的には、まだ欧州に開拓余地があると見ているようで、欧州外では南米が好調とのこと。アジアは苦戦しているようですが、Disigualのテイストそのままだと若干難しいところはありそうな気もします。


Japan’s Pal Building ‘IKEA of Fashion’ (Business of Fashion)
 Business of FashionにJapanConsumingによる、パルグループの分析記事が。2013年には売上1000億の大台に到達する同社ですが、競合各社と較べて特徴的なのは、他ブランド展開で売上を分散させていること。しかも最大の売上は雑貨の3コインズが全体の10%強という構成になっており、今後ポテンシャルの高いホーム関連にも足場を築いている点も、評価できるポイントのひとつです。ただ、トレンドの変化へのリスク分散が可能なモデルとはいえ、利益効率という観点では何があるのも事実。今後は、数百億規模の売上を持つブランドの創出も目指していくようです。
2014.01.18 Saturday

Daily Digest

Brunello Cucinelli Sales Rise 15% (WWD)
 Brunello Cucinelliのビジネスが順調に成長しています。2013年は、直営店の拡大が功を奏し、売上が前年比15.4%増の322.5百万ユーロに。春夏の受注も好調で、先日発表した秋冬の反応も良かったことから、2014年も売上と利益共に、2桁の成長を見込んでいるとのこと。地域別では、USが前年比23.2%増の109.1百万ユーロで、全体の33.8%を占めています。続いて欧州が、同20%増の107.9百万ユーロで33.5%を。イタリアは2.9%ダウンし、全体の20.7%となる66.7百万ユーロ。一方中国は52.5%と大きく伸び、15.7百万ユーロとなっています。最後に日本を含むその他の地域の合計は、5.7%増の23.1百万ユーロという構成です。またチャネルでは、50%増の115.4百万ドルで全体の35.8%増を占めるまでに成長。売上の伸びの殆どを、直営店の拡大が担っています。しばらくはこのモメンタムが続きそう。イタリアのIPO銘柄としては続くMonclerの業績にも期待が集まりそうですね。


Richemont Sales Gain 2.8% in Q3 (WWD)
Richemont results say hold your horses on China, luxury (Financial Times)
 Compagnie Financière Richemontの第3四半期の売上は、前年同期比2.8%増の29.4億ユーロと予想を下回る結果に。USや日本での好調な成績が、為替と中国の停滞の影響で相殺された形となっています。地域別で見ると、日本が13%増と最大の伸びを示しており、Net-a-Porterが大きく貢献したとされるUSが12%増で続きます。EMEAは9%増、APACは6%の増加という結果に。カテゴリ別では、ジュエリーが10%増、ウォッチが9%増、Net-a-Porterやファッション関連を含むその他のカテゴリも9%増。Financial TimesのVanessa Firedmanが書いているとおり、アナリストらが昨年喧伝していたような所謂"hard luxury"へのフォーカスは、中国のことを考えると危険だったのではないかなと思ったりもしますね。Net-a-Porterを含めてファッション部門を切り離さないという会社側の判断が、ひとまずは妥当のように見えます。


13年の全国百貨店売上高、16年ぶりに全店ベースで前年上回る (日本経済新聞)
 毎月の売上の状況から当然の内容ではありますが、2013年の全国百貨店売上高は、全店ベースで前年比1.2%増の6兆2171億円となり、16年ぶりに前年実績を上回りました。ちなみに既存店ベースでは、前年比1.6%増でこちらは2年連続です。


Paris, Fashion’s Global Melting Pot (Business of Fashion)
 メンズのファッション・ウィークにおけるParisのポジションについて考察した記事がBusiness of Fashionに。MilanやLondonなどの他都市と比較して国籍なども多様なわけですが、バイヤーとメディアのトラフィックやParisでショーやプレゼンテーションを行うこと自体のクラス感なども去ることながら、殊メンズに関しては、“There’s no French specificity in men’s fashion. It’s quite a neutral place. It’s quite romantic and a bit psychological, but it’s not like another place where you have a more precise idea of what men’s fashion should be. Italian men have a very specific identity; the British, with their elegance, too."という、PurpleのOlivier Zahmのコメントが個人的には一番しっくりきました。


Tamara Mellon Returns to London (WWD)
 Tamara MellonがLondonのHarry’s Barにゲストを招いてランチョンを。継続して販売する"Endless"のアイテムと合わせて、毎月新作を提供していくシグニチャーのモデルについて、"I was so sick of having to buy clothes in the wrong season. I also didn’t like being able to see shows, and then having to wait to buy the clothes. By the time the product hit the shop floor, I was over it”という持論を再び。そして今年後半には、Mayfairにブティックをオープンする計画も明らかに。また女性の支援を目的とした慈善団体の設立も準備しているとのことです。


Glamour Heading in the Right Direction (WWD)
 Condé Nastのアーティスティック・ディレクターとして、不振の各誌の梃入れに動いているAnna Wintour。LuckyやCondé Nast Travellerの編集長人事への影響も話題になっていましたが、同じく彼女が監督しているとされる同社の柱のひとつでもあるGlamourでは、広告ページの増加という形で成果が。昨年6月にInStyleからGlamourに移籍してきた、パブリッシャーのConnie Anne Phillipsによるところも大きいのだとは思いますが、クリエイティヴ・ディレクターやファッションディレクターの交替など、Wintourの関わりがスタートしてからの人事も影響しているのかもしれません。編集長のCindi Leiveも必ずしもWintourと常に良好にというわけではないようですが、ひとまずは良い方向に向かっているということで。


Online Sales Growing Rapidly in China's Rural Areas (WWD)
 Alibaba傘下のAlipayが発表した"Alipay Annual 2013 China Spending Report"によると、中国の地方や内陸部でのオンラインコマースでの消費額が急成長しているそうです。広西チワン族自治区や河南省、福建省が前年比で150%前後の伸びを見せています。消費額では広東省がトップに。北京や上海もそれぞれ84%増と45%増と、引き続き大きく成長はしています。またモバイルでのオンラインコマースの普及も地方がより進んでいるのとのこと。地方へのマーケティングではより一層モバイルデバイスへの注力が重要になってきますね。


Secondhand Clothing Marketplace Twice Raises $18.5M From Andreessen Horowitz (TechCrunch)
 このところファッションのオンラインマーケットプレイスが、盛り上がりを見せていますが、The RealRealのマスマーケット版ともいえる委託販売モデルのTwiceが、Andreessen HorowitzのJeff Jordanのリードで18.5百万ドルの資金調達。Banana RepublicやGap、J Crewといったブランドの価格帯で、委託販売のモデルが成立するかどうか興味深いところではありますが、eBayなどの既存のオークションや非オークションのC2Cモデルと合わせて、引き続き注目のカテゴリですね。今年後半くらいから淘汰が始まるのではという予感もしないではないですが。


eBay said to open online mall to lure fancy brands (Cnet)
 eBayがより多くのブランドを集めるため、セカンドハンドのアイテムとは切り離した"The Plaza"というマーケットプレイスを計画しているという情報が出てきています。噂されているこのeBayの構想は、ファッションに限ったマーケットプレイスではないようですが、この分野でもAmazonとの競争が激しくなりそうですね。


Fitbit Force giving some users skin rash; company offers refunds (Los Angeles Times)
 先週はConsumer Electronics Showが開催され、IntelのOpening CeremonyやBarneys、CFDAとのコラボレーションをはじめ、様々なウェアラブルデバイスの発表が話題になりました。そんな中、Tory Burchとネックレスやブレスレットでのコラボレーションが計画されている、FitbitのForceという製品で、皮膚に湿疹などの症状が出る報告が相次ぎ、Fitbit側がリファンドで対応するという動きが出ています。身に付けるものだけに、問題発生後の迅速な措置と共に、身体の影響へのテストは十分に行って欲しいところですね。


【連載】デジタルプリントって何ができるの? 2 (繊研新聞)
 テキスタイルデザイナーの梶原加奈子氏が、デジタルプリントへの取り組みや環境整備の日本での遅れを指摘しております。感性と技術を融合させる役割を担う、デジタルプリントに長けたデザイナーを育成しデジタルプリントデザイナーというポジションを確立することが急務と。合わせて立体的なタッチなどの新しい風合いも併せて、テキスタイルを開発を進めていくことの重要性も説いています。


Kering Names Head of Editorial and Image (WWD)
 Keringが、Carvenでグローバル・コミュニケーション・ディレクターを務めたCyril Cabellosをヘッド・オブ・エディトリアル&イメージに指名。Keringは昨年のPPRからの名称変更に伴い、オンラインマガジンのKをスタートするなど、グループとしての発信に力を入れ始めています。


From Lottie with love (Dazed Digital)
 Kate Mossが1月16日に40歳の誕生日を迎えたことが各メディアで大きく伝えられていましたが、先日Storm Modesと契約したことで話題になった妹のLottie Mossの初のエディトリアルが、Dazed & Confuesdの2月号に。16歳。


Announcing Ford Models Paris! (Ford Models)
 Ford ModelsがParisにブランチをオープン。Women Managementでブッキングディレクターを務めていたChristel Vatassoがトップになるようです。

2014.01.18 Saturday

12 Tableaux - Barbara Casasola / Marie Schuller

 Fashion Copiousで気がついたのですが、先日ご紹介したBarbara Casasolaの2014年秋冬のPittiでのプレゼンテーションにあたって、SHOWstudioのプロジェクトでMarie SchullerがディレクションしJamie Bochertが出演したフィルムが。




"Pitti Uomo's A/W 14 guest womenswear designer, London-based Brazil-born Barbara Casasola, collaborates with SHOWstudio and muse Jamie Bochert on a series of film pieces to compliment her Menswear for Women capsule collection. SHOWstudio's Marie Schuller produced sixteen looping mini films to be projected around Casasola's presentation in Florence, as well as one beautiful fashion film, which can be viewed exclusively on SHOWstudio.

The projections and film channel the intimate aesesthic of screen tests, and focus not on showing off Casasola's clothes but rather on capturing the independent spirit and playful attitude of celebrated model Bochert, who is the perfect example of the independent Barbara Casasola woman. Many of the projections explore nudity or the naked body getting dressed, offering a sensual nod to Casasola's obsession with the unclothed female form when designing."

2014.01.16 Thursday

Daily Digest

Metropolitan Museum to Designate Renovated Costume Institute the Anna Wintour Costume Center (Metropolitan Museum)
Met’s Costume Institute to Be Renamed for Anna Wintour (WWD)
 現在改装中のMetropolitan Museum of ArtのCostume Institute。5月のリニューアルにあたり、これまでのインスティテュートへの貢献を称え、Vogueの編集長でCondé Nastのアーティスティック・ディレクターも兼ねるAnna Wintourの名を冠した、Anna Wintour Costume Centerへとその名称が変更となります。1995年から15回のベネフィットを主催し、1999年に理事にも就任したWintourがこれまでに集めた資金は、合計で1億2千5百万ドル。4千万ドルに上る今回のリニューアルの費用の資金集めにも大きな役割を果たしています。自らがホストを務める毎年5月初めから始まるエキシビションを祝したガーラを、ファッション業界で最も注目されるイベントのひとつに押し上げました。寄付者ではなくファンドレイザーの名を冠するのは異例の待遇ですが、これまでの功績を考えれば当然といえるかもしれません。Anna Wintour Costume Centerは、展示スペースのLizzie and Jonathan Tisch GalleryやCarl and Iris Barrel Apfel Gallery、Irene Lewisohn Costume Reference Library、そして最新の設備を備えた服飾の保存に関する研究所などのリサーチ施設、そしてキュレーション部門などからなる複合的な機関となり、Harold KodaとAndrew Boltonの所属するキュレーション部門は、Centerのもとで従来のCostume Instituteという名称を受け継ぐことになります。リニューアルを飾るエキシビションは、5月8日に一般公開される“Charles James: Beyond Fashion”。今年のガーラは、一層の盛り上がりが期待できそうですね。


Square valuation rises to $5bn (Finacial Times)
François-Henri Pinault puts his money where his mobile is via Square (Financial Times)
 Squareのバリュエーションが50億ドルに。2012年の200百万ドルの資金調達もリードしたRizvi Traverse Managementのリードによる、135百万ドル規模の公開買付によるものです。興味深いのは、この公開買付に、KeringやChristie’sなどFrançois-Henri PinaultファミリーのホールディングカンパニーであるGroupe Artemisが傘下していること。Financial TimesのVanessa Fridemanが想像を膨らませたコラムを(また)書いておりますので、そちらもご参考いただければと。


Umit Benan's Recalculation : BoF : The Business of Fashion (Business of Fashion)
 2014年秋冬からコレクションの発表の場を、従来のMilanからParisに移すUmit Benan。ドイツ生まれでトルコで育ち、スイスやUSで学んだ後に、イタリアでブランドを立ち上げるという、なかなかない経歴の持ち主な訳ですが、本人も話しているとおり、ひとつの場所に落ち着くのは苦手な性分という部分はありそうです。しかしながら、やはり若手デザイナーがビジネスを拡大していくのにMilanという場所が適切ではないという思いもある様子。ここ1年余りで、Milanもメゾンのトップが主導する形で、ようやくCamera della Modaとファッション・ウィークの改革に着手し、新設のCEOとしてJWT ItaliaからJane Reeveを迎えるなど、イニシアティヴが動き始めたところではありました。Costume NationalのMilan復帰やGiorgio ArmaniのCamera加入、またMSGMをはじめとする新興ブランドの躍進など、明るい要素は出てきたものの、Benanのテイストやビジネス展開の指向やフェーズを考えると、Parisを拠点にするのがベストという判断になったようです。またビジネス拡大の一環として、ウィメンズも次の冬にはカプセルコレクションからスタートする予定とのこと。こちらも楽しみです。


Jonathan Saunders For Paul Smith? (British Vogue)
 Jonathan SaundersがPaul Smithのウィメンズのラインのコンサルタントになるのではという噂が。確かにBritish Vogueの記事にもあるとおり、相性は良さそうな気はします。


Burberry Revenues Rise 14% in Q3 (WWD)
 Burberryが好調な第3四半期の業績を発表。レヴェニューは前年同期比で14%増の528百万ポンド。引き続きAPACが2桁成長と業績を牽引したほか、EMEAにインドを加えたEMEIAやUSも1桁後半の伸びを示したようです。カテゴリではアウターとラージサイズのバッグの動きが良かったとのこと。年間を通しての業績予想は据え置いています。


Power Moves | Paula Reed Joins Mytheresa.com as Creative Director, "Agitator"
 スタイルディレクターとしてGrazia UKのローンチの成功に貢献し、2012年にHarvey Nicholsのファッション・ディレクターに就任したPaula Reed。昨年辞任し、その去就が注目されていましたが、ドイツのTheresaからオンラインコマースとして派生したMytheresa.comのクリエイティヴ・ディレクターへの起用がアナウンスされています。既に行われているディナーパーティを兼ねたトランクショーのようなイベントを通じて、オンラインコマースにヒューマンなタッチを加えて行きたいとのこと。雑誌の出身であることから、最近のオンラインコマースで多く見られるようにエディトリアルコンテンツの強化といった施策がすぐに思いつきそうですが、“It’s not like they’ve taken on a magazine person to create a magazine”とコメント。いずれにしてもMytheresa.comの変化に注目したいと思います。


Fast Retailing Taps Lars Nilsson (WWD)
 なかなか驚きの人事が。ファーストリテイリング傘下のComptoir des CotonniersとPrincesse Tam Tamのアーティスティック・ディレクターに、Nina Ricciのデザイナーなどを務めてきたLars Nilssonが指名されています。昨年の11月に、Zadig & Voltaireのアーティスティック・ディレクターからComptoir des Cotonniersのクリエイティヴ・ディレクターに就任したものの、1年に満たずに退任したAmélie Gillierの職掌よりも、グローバルな役割を担うことになるそうです。TheoryがTheyskens' Theoryを2014年のプレフォールから統合するなど、Uniqloだけではなくファーストリテイリング傘下ブランド全体で、最近動きが多い印象が。


Alexander Wang Moving Show to Brooklyn (WWD)
 これまでManhattanのPier 94でショーを行ってきたAlexander Wangですが、2014年秋冬は会場をBrooklyn Navy Yardに移します。今季のテーマにフィットするロケーションだったことが理由のようです。ただし従来の17時からの開催では、移動スケジュール的に難があるため、Wangと親しいJoseph Altuzarraとタイムスロットを交換し、2月8日の最後の20時30分からスタート。East Riverを渡ってBrooklynでショーを開催というのは、どのデザイナーにとってもなかなか心理的障壁が高い選択と思われますが、この動きに続くデザイナーが現れるか、来季以降に注目ですね。ちなみにWangについては、今季限りの変更と見られております。


CM-CIC Capital Finance Takes Stake in Vicomte A. (WWD)
 CM-CIC Capital FinanceがフランスのVicomte A.の少数株主に。金額等は非公表。プレッピーでカジュアルなテイストのハイエンドのラインということで、端的にはいま再注目のコンテンポラリーなブランドへの出資案件の最新事例ということになりますね。2013年の売上は17.5百万ユーロ。現在ビジネスの15%となっている海外での売上を、2018年までに40%まで引き上げる目標。


The new GapFit workout collection (Telegraph)
 アクティヴウェアも注目の市場ですが、近々ローンチされるGapのGapFitのコレクションのプレヴューがTelegraphに。機能性についてもなかなか高評価のようで、デザインもイメージを見る限り良さ気な印象です。H&MのCOSを立ち上げた実績を買われてクリエイティヴ・ディレクターに就任した、Rebekka Bayの影響が早くも出ていると捉えるべきところでしょうか。


Printemps' New Owner Ignites Retail Expansion (WWD)
 Printempsの32年ぶりの新たなストアがParisのCarrousel du Louvreにオープン。2万7千平方フィートと、Boulevard Haussmannのフラッグシップと比較すると、場所柄もあり相当に小規模なストアにはなりますが、年間1千万に近い観光客が訪れるルーヴル美術館のトラフィックを見込んで、今年1年で2千万ユーロから3千万ユーロのレヴェニューを計画しているようです。また今回のストアオープンは、昨年オーナーがカタール資本でルクセンブルクを拠点とするDivine Investments SAに移ってから初めての大きな動きになります。今後は国際展開も視野に入れているとのことですが、競合のGaleries Lafayetteのように、現地企業とのフランチャイズで展開するようなアプローチは採らない方針。また2013年の業績は、2012年程の伸びではないものの、堅調に推移した模様です。


EBay and PayPal Enhancing Omnichannel Options (WWD)
 EBayが、リテール向けのEBay EnterpriseとPayPalのソリューションを強化しています。まずEBay Enterpriseは、フィジカルとオンラインの在庫の共通化と最適化をさらに進め、顧客が自宅と店舗のどちらで受け取りたいかを選択でき、またリテールサイドは店舗と物流センターのどちらから発送するか在庫状況から対応できるソリューションの提供をスタート。一方PayPalは、僅か1年でPayPalの使える売り場を1万8千から190万に急拡大。にするため、PayPalアプリでQRコードや4桁のコードも採用し、よりスピーディな決済を可能に。またBluetoothを用いたPayPal Beaconで、自動チェックインやサービス情報のメールでの受け取り、レストランでのオーダーの自動化やファッションリテールでのパーソナライズサービスなど、様々なマーケティング施策を実現可能にしています。やはりオムニチャンネルのソリューションの本命はEBayかなと改めて感じた次第。


Hudson’s Bay, Lord & Taylor Partner with True Fit to Help Consumers Shop with Increased Confidence (VentureBeat)
 Hudson's Bay Company傘下のHudson’s BayとLord & Taylorが、オンラインコマースでTrue Fitのフィッティングソリューションを導入。サイジングのデータは、両サイト間で共有可能な仕組みに。同グループのSaks Fifth Avenueのオンラインコマースにも、結果次第で導入される可能性がありそうですね。ヴァーチャルフィッティング関連は、様々なアプローチがありまだ圧倒的に優位なソリューションが出てきているわけではないと理解しているので、引き続き追っていきたいと思っております。


Time Inc. Goes Tech (WWD)
 Time Warnerからのスピンアウトが今年第2四半期に控えているTime Inc.で、先週に続き幹部人事が。Amazonのデジタルプラットフォーム担当VPを務めたColin BodellがEVP兼CTOに。同社のITオペレーションからデジタル関連のプロダクト開発戦略まで、幅広く統括することになる模様。これまでSVP兼CTOのポジションにあったMitch Klaifは、引き続きSVPとして新たな重要案件を担当するそうです。


Behind Digital ‘Genius’ Olay: Tmall (L2)
 L2の初のDigital IQ Index®: Personal Care Chinaの調査結果から。トップとなったOlayですが、Tmallを徹底的に活用し、自社サイトのロイヤルティプログラムなどのマーケティング施策とも合わせた展開が、大きな評価ポイントとなったようです。Olayのような消費者ブランドの場合、特にTmallのプレゼンスの重要度は高そうですね。


Rocket Internet-Backed Fashion Site Zalora To Launch Marketplace In Asia (TechCrunch)
 世界各地でクローンビジネスをスピーディな巨額の投資で立ち上げているRocket Internetですが、東南アジアで展開するZaolaが、マーケットプレイスのモデルもスタート。先進国でのAmazonやEbayのような、明確な勝者がまだいないマーケットだけに、ここで一気にボリュームを取りに行く考えのようですね。


Congressional Scrutiny of Target Data Breach Widens (WWD)
 TargetにNeiman Marcusと、年末から年始にかけて顧客情報の流出が相次いだUSのリテール業界ですが、議会サイドも調査や法制化に動きだしているようです。


Tidbit: Bochert, Russell Move to The Lions (Fashion Copious)
 新興エージェンシーのThe Lionsに、Womenから多くのモデルが移籍しているようです。先月Ali Kavoussiが、Guinevere van SeenusやAngela Lindvall、Jessica Hart、Irina ShaykにAnne V.を伴って移ったのが皮切りの様子。Jamie BochertとCameron Russellも続いたという情報がFashion Copiousで紹介されておりました。


Renzo Rossi Invests in Organic Chain (WWD)
 Renzo Rossoがファミリーの投資会社のRed Circle Investmentsを通じて、イタリアで合わせて400以上の売り場を有する、オーガニックフードチェーンのEcorNaturaSíに出資。これもひとつの大きな流れではありますね。

2014.01.14 Tuesday

Daily Digest

Golden Globes red carpet: it’s the men, stupid (Financial Times)
 これまでレッドカーペットといえば主に女性のセレブリティのドレスが注目の的となっていましたが、これからは男性にも焦点があたるかもしれないというお話。Golden Globesでは、各ブランドがこれまで以上に、男性のセレブリティの着用についてアピールをするようになってきたと、Financial TimesのVanessa Friedmanが書いています。もちろんラグジュアリー業界にとって、メンズは成長余地がウィメンズに比べても大きく、また一時よりスピードは落ち着いてきているとはいえ、依然として最重要の成長市場である中国での相対的なメンズ市場の強さなど、注力する要因は数多くあります。LVMHのBerlutiのカテゴリ拡大や、KeringのBrioni買収などはその最たる顕れなわけですが、殊レッドカーペットに関しては、また違った要因もありそうという指摘も。最近ではブランド間の女優獲得の競争も激しくなっており、女優側も一度限りのカスタマイズを求めるケースが多く、リスクの少ないメンズに注意を向けるようになってきたのではというものです。とはいえ、メンズのブランディングにレッドカーペットがどこまで影響があるかは未知数。いずれにしても、こうした視点でアカデミー賞までのアワード・シーズンを眺めてみるのおもしろいかもしれません。


Giorgio Armani Looking at Creating Foundation (Business of Fashion)
 今年80歳になり、いよいよ後継問題が現実的な課題となってきたGiorgio Armani。2012年時点で20億ユーロの規模まで成長したビジネスをどう継承していくかについて、情報を集めながら検討している最中のようです。財団の設立というのもアイデアのひとつとしてはあり、あるインベストメント・バンカーは、RolexのオーナーであるHans Wilsdorf Foundationのような形を考えているのではないかと話しています。


Valentino Opens Men's Flagship in Paris (WWD)
 Valentinoの初のメンズオンリーのフラッグシップが、ParisのRue Saint-Honoréにオープン。4300平方フィートで、最近のValentinoのショップと同様に、David Chipperfieldがデザインを手掛けています。スーツのみならず、ピーコートやスニーカー、デニムのパーソナライズも受けるmade to measureのサービスも提供。イタリアで生産されるオーダーメイドのデニムは、700ユーロから800ユーロで6週間から8週間で仕上がるそうです。現状Valentinoのビジネスの7%から8%となっているメンズを、3年から5年で10%から15%まで引き上げる計画で、LondonやMilanでもフラッグシップのロケーションを探しているとのこと。香港や上海などアジアでは、既にメンズオンリーのショップの展開は進んでいます。Craig McDeanの撮影によるメンズのキャンペーンも展開。やはりカモフラージュやRockrunnerのフットウェアなどアクセサリーがまずは動いているようで、メンズのビジネスのほぼ半分となっているとか。


Dsquared2 Set to Launch N.Y., L.A. Units (WWD)
 先週中国での商標問題で大きな前進があったDsquared2ですが、USにも本格的に進出。US初のストアはNYのSoHoのSpring Streetの7236平方フィートのフラッグシップ。5184平方フィートのRodeo Driveのストアが続きます。さらにMiami、Aspen、Las Vegasでのオープンの計画も進行中。少なくともビジネスの20%までUSを引き上げたいと考えているようです。ちなみに現状では欧州がレヴェニューの60%を占めているとのこと。同社の2013年の売上は195百万ユーロで前年比15%増。RTWが75%を占めていますが、今後はアクセサリーにも力を入れていくそうです。70%がホールセールで、こちらも強化すべく、Saks Fifth Avenueとショップインショップの話が進んでいると。またレヴェニューの55%がメンズで、45%がウィメンズという構成。やはりメンズが大きいですね。


Folli Follie Group Inks Juicy Couture Agreement (WWD)
 Folli Follie GroupがJuicy CoutureのIPを昨年取得したAuthentic Brands Groupと、欧州、UK、アイルランド、キプロスでの、同ブランドのホールセール及びリテールの独占的ディストリビューション契約を締結。金額などの条件は明らかにされていません。LondonのRegent Streetのフラッグシップをはじめ、既存のショップは継続されるようで、Folli Follie Groupは今後欧州での拡大を図っていくとのこと。Folli Follie GroupはFolli FolliやLink of Londonといったジュエリーブランドのほかに、Hellenic Duty Freeを所有し、Ermenegildo ZegnaやNike、Converseのギリシアでのディストリビューションも手掛けています。今回のJuicy Coutureの契約により、ブランドのポートフォリオの強化と海外展開で多角化を目指す意向のようです。


It’s Here! Check Out the Full Peter Pilotto for Target Lookbook (Fashionista)
 2月9日にローンチされるPeter Pilotto for Targetのルックブックが。すべてのアイテムになるかはわかりませんが、Net-a-Porterも取り扱うためUS外からの購入も可能になります。思ったよりスイムウェアなどカテゴリも豊富ですね。


Brigitte Comazzi Duval Tapped at Gerard Darel (WWD)
 ファンドのAdvent Internationalが保有する、Gerard Darelのクリエイティヴ・ディレクターに、Tara Jarmonのヘッド・オブ・デザインを務めていたBrigitte Comazzi Duvalが就任。Sandrine Lilienfeldが、昨年8月にNaf Nafのゼネラル・マネージャから移籍したのに続く動きとなります。Comazzi Duvalは、Tara Jarmon以前はComptoir des Cotonniersに2005年から2011年まで在籍していたとのこと。Tara Jarmonも投資家の間では注目を集めているブランドだけに、影響が気になるところです。


Eugenia Kim to Relaunch Footwear (WWD)
 Eugenia Kimがフットウェアをリローンチ。2004年にスタートし、同年にCFDAのAccessories Designer of the Yearも受賞したものの、需要に応えきれないため間もなくクローズ。リローンチにあたっては、Charlotte OlympiaやNicholas Kirkwoodのようなユニークでカラフルなデザインとの競合は避け、より洗練された15スタイルで2014年秋冬から始めるようです。お値段は535ドルから1095ドル。


Targetの情報流出はPOS端末のマルウェアが原因、米当局も注意呼び掛け (ITmedia)
Target Addresses Security Breach (WWD)
 セキュリティ攻撃によるクレジットカード情報の大量流出があったTargetですが、同社のCEOのGregg Steinhafelが1月12日にCNBCのインタビューに応じ、今回の流出の原因が、POSレジスターのマルウェア感染にあったことを明らかに。セキュリティ当局のUS-CERTによると、こうしたPOSを狙ったセキュリティ攻撃が横行しており、1月2日にもアラートを出して注意を呼びかけています。またTargetは、CEOのGregg Steinhafelから顧客への手紙という形で、1月13日にWall Street Journal、Washington Post、USA Today、The New York Timesの大手紙に謝罪広告を掲載。1月14日には50の地方紙にも同様の広告が載る予定です。また同社がセキュリティ攻撃が発覚してから公表までに4日間かかった理由についても、日を追って説明。当局側も犯人の追跡などの観点から、すぐに公表することは控えるように小売側に要請することが多いという専門家のコメントもあり、リーズナブルな範囲なのではないかと感じました。その点Neiman Marcusの遅れについては、議論を呼びそうな気配もありますが。


Groupon Inks $43M Deal for Ideeli (WWD)
Groupon buys fashion flash sales company Ideeli for $43M (VentureBeat)
 GrouponがファッションフラッシュセールサイトのIdeeliを43百万ドルで買収。2007年にスタートしたIdeeliは、これまでにStarVestやKodiakなどから100百万ドルを調達していますが、2013年の実績も115百万ドルの収入で30百万ドルの損失という状況のため、前述の買収金額となっている模様。2014年は、ファッション系のフラッシュセールサイトの淘汰がさらに進むのではないかと思われます。


Quiksilver Sells Tony Hawk to Cherokee (WWD)
 再建中のQlicksliver Inc.が、Quiksilver、Roxy及びDC Shoesにフォーカスするためのブランドポートフォリオの整理の一貫として、Tony Hawk及びHawk Signatureブランドを19百万ドルでCherokee Inc.に売却。Tony HawkのアパレルとアクセサリーのUSでのディストリビューションを手掛けるKohl’s Corpとの契約には影響しないとのこと。Cherokeeは2012年にLiz Lange MaternityとCompletely Meを取得しています。


New Venture Investment Firm Eyes Supply Chain (WWD)
 NYのTau Investment Managementが、衣料製造企業への投資を行う10億ドル規模のファンドを立ち上げるようです。George Sorosの息子でSoros Brothers InvestmentsのマネジングパートナーのAlexander Sorosと、Global Emerging Marketsからも、金額は明らかにされていませんが出資を受け、Alexander Sorosがアドバイザリーボードに加わります。1億ドルから10億ドル規模の年間レヴェニューの企業に、2000万ドルから5000万ドルを投資していく計画。TauはOliver Niedermaierが“capitalist solutions to capitalism’s failures”というスローガンのもと設立した投資ファンド。バングラデシュの縫製工場での事故や、同国やカンボジアの縫製工場の労働者の最低賃金の問題などが契機になっているようです。


Stores using LightSpeed processed $6B in transactions last year (VentureBeat)
 フィジカルなリテイラーに、インテリジェントな決済/POSソリューションを提供するLightSpeedが、2013年の1万7千のリテイラーからのトランザクションが60億ドルを超えたことを明らかに。オンラインコマースとの統合やCRMのみならず、サプライヤーともダイレクトに接続できる多機能性が特徴となっているようです。ちなみに昨年100百万ドルの資金調達でも話題になったShopifyの昨年のトランザクションは、8万ストアから17億ドル。オンラインからスタートしているShopifyと単純に比較はできませんが、LightSpeedも相当な規模感になってきていることがわかります。


Joël Palix Named CEO of Feelunique.com (WWD)
 Group ClarinsのClarins Fashion Groupのプレジデントとして、Thierry MuglerやAzzaroのフレグランスやファッションのビジネスを統括していたJoël Palixが、UKのプレミアムなビューティアイテムを扱うFeelunique.comのCEOに。ファウンダーのAaron Chatterlyは、デュピティ・チェアマンとなり引き続きサプライヤーとのリレーションやパートナーシップ関連を担当するそうです。


Elite Models to Fork Over $450,000 to Unpaid Interns in Class Action Settlement (Fashionista)
 インターンが賃金の不払いに関して起こす訴訟が、Condé NastやHearst、Warner Music Group、Fox Searchlight Picturesなど最近多く見られますが、企業側が最後まで法廷闘争を続けるケースが大半です。そうした中、Elite Model Managementに対する訴訟では、Elite側が、ひとりあたり最低700ドルから1750ドルの45万ドルのクラスアクションに合意するという結果が出ています。この件を担当した弁護士のSteven L. Wittelsは、“Elite’s a reasonable company that decided to do the right thing. They should be commended”とコメント。


Prada to Finance the Restoration of Giorgio Vasari's 'Last Supper' (WWD)
 Pradaが、1966年のFlorenceの洪水で被害を受けたGiorgio Vasariの「最後の晩餐」の修復を支援。PradaのFlorenceの新フラッグシップのオープンに合わせた動きです。PradaがFAI (Fondo Ambiente Italiano)と協力して、美術品の修復にあたるのはこれが4度目。Tod'sやFendi、Gucciなどイタリアのメゾンのこうしたイニシアティヴが最近増えてきていますね。

2014.01.14 Tuesday

2014 FW Barbara Casasola

 Pitti Imagine Uomoのウィメンズのゲストデザイナーとして、2014年秋冬のコレクションを披露したBarbara Casasola。彼女を早くからフォローしているCR Fashion Bookに、そのコレクションのエクスクルーシヴなプレヴューが。


 以前からテーラリングの要素を取り入れたかったと彼女が語っていますが、Pitti Uomoが良い機会となった様子。シンプルでマスキュリンなフォルムと、柔らかな素材使いで、抑制を効かせた中に女性らしさが薫る、良いコレクションとなっているように感じました。鮮やかな色彩も素敵。














2014.01.01 Wednesday

資生堂2014年正月新聞広告

 あけましておめでとうございます。

 昨年はVogueでブログを書かせていただくようになったこともあり、こちらのアップデートが一層滞ってしまった感があるのですが、実をいうと5月で「コソの出来事」をスタートしてちょうど10年というタイミングだったりします。ということもあり、今年はこちらの方でも色々と書いていこうかなと思っている次第です(わりとほんとに)。

 さてそのご挨拶というわけでもありませんが、今年も最初のエントリは恒例の資生堂の元旦新聞広告から。


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 モデルは昨年に引き続き水原希子。2年連続というのは、最近ではなかった傾向ですが、1月21日からマキアージュの顔としてCMもスタートすることも含めてということでしょう。ここ数年、自分や社会が一歩前に踏み出す後押しをするようなメッセージを伝えてきた正月広告ですが、今年はストレートに「最高の美に挑む」姿勢が強く込められたヴィジュアルとコピーになっています。

それは、心を奪うか。
それは、想像を裏切るか。
それは、人生を揺さぶるか。
美しさに、答えはあるか。
何度でも挑み続けろ。

 すがすがしい。自分の美しさに向かうとき、いま改めて欲しい気分はこれかな、と。4月に初の外部からの登用で魚谷雅彦氏を社長として迎える資生堂自身とも、重なる部分なのだろうと思いつつ。映像もこちらに。BGMは1978年にCMで使われた矢沢永吉の「時間よ止まれ」。新しいマキアージュのCMでも、1997年の「Still」のように彼の曲が聴けたりするのでしょうか。


 ではでは今年も宜しくお願い致します。
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