2010.08.31 Tuesday
WWD JAPAN Vol.1594
オンラインに載っている情報は基本的に色々流れて広まるところなので、紙媒体のさらっとまとめもやってみましょうか、というわけで。こうでもしないとちゃんと毎週読まないという理由の方が大きかったりしますが。
トップのThe Newsで気になったのは【イオンが新SPAブランドに元「アバクロ」ディレクターを起用】。三菱商事との協業による新SPA業態の「トップバリュコレクション」のクリエイティブディレクターに、アバクロンビー&フィッチのメンズ部門のシニアディレクターを勤めたジェームス・ウィルキー氏が就任することになったそうです。三菱商事グループの世界的な調達網を活用しつつ、新会社のトップバリュコレクション株式会社を設立し、企画・製造・販売まで一気通貫で行うとのこと。いわゆるGMSのSPA強化の動きがイトーヨーカ堂とともに最近目立ちますが、Twitterでもご紹介した小島健輔氏のブログの指摘にもあるとおり、ウィルスキー氏のMDの手腕とそれを会社側がどこまでexecutionできるかがポイントになりそうですね。「ジャスコ」と「サティ」を「イオン」ブランドに統合する流れも含めてしばらく注目ということで。
トップのThe Newsからもうひとつは【「シュプール」編集部発信ブランド「es by spurshopper」デビュー】。雑誌によるオンライン販売は、WEEKLY NEWS DIGESTにリニューアルが取り上げられていたアシェット婦人画報の「エル・オンライン」の「エル・ショップ」などが早くからありますし、最近では「SENSE」の「ザ・ブラックセンス・マーケット」のような雑誌エクスクルーシヴなアイテムのオンライン販売の例もありますが、日本発の雑誌でオリジナルブランドをローンチした例は珍しいのでは。「シュプール」については同じくWEEKLY NEWS DIGESTに載っている妹版「シュプール ピンク」のローンチ(B5版で380円は魅力的!)と併せて今後の展開を追っていきたいところでございます。
メインの特集は2011SSのメンズのコレクショントレンド。徹底したミニマリズムを基調として、ピュアホワイトなスタイリングやボクシーなシルエット、モノトーン、90年代指向などが挙げられています。基本的には既に各所で語られている傾向ではありますね。個人的にはかなり好みなので楽しみではありますが。
最近のWWD JAPANの中では一番興味深い連載が【連載 我が社の中国戦略】なのですが今回はその第9弾。日本のバッグメーカーに焦点を当てています。「ホワイ」好調の話はどこかで聞いていましたが、冒頭で紹介されている「アクセソワ・ドゥ・マドモワゼル」は全然知りませんでしたですよ。それにしても上海では「バリー」がやたら人気みたいですね。
あと記事広告にはなりますが、8月から9月にかけて「モンクレール」のニューショップが続々とオープンする様子。ポイントは「S」「V」「ガム・ブルー」「ガム・ルージュ」「グルノーブル」などのラインの展開。注目は、メンズと「ガム・ブルー」「V」「グルノーブル」の西武渋谷(9/10オープン)と、ウィメンズで「ガム・ルージュ」「S」「グルノーブル」をそろえる松屋銀座(9/7オープン)あたりですかねー。ちなみに「ガム・ブルー」はトム・ブラウン、「ガム・ルージュ」はジャンバティスタ・バリですよ。復習。
今週のHIT ITEMSはセレクトショップコスメ編。ひたすらジョンマスターオーガニックが強いですよ、というお話。月1回の森本容子氏の連載では、「マウジー」と「S Cawaii!!」が10周年かー、と。
最後にMEMOの中では、ファーストリテイリングの勝部健太郎クリエイティブ マネジメントディレクターの独立が一番気になるところ。
とりあえず今週はこんなところですかねー。ではまた来週?
トップのThe Newsで気になったのは【イオンが新SPAブランドに元「アバクロ」ディレクターを起用】。三菱商事との協業による新SPA業態の「トップバリュコレクション」のクリエイティブディレクターに、アバクロンビー&フィッチのメンズ部門のシニアディレクターを勤めたジェームス・ウィルキー氏が就任することになったそうです。三菱商事グループの世界的な調達網を活用しつつ、新会社のトップバリュコレクション株式会社を設立し、企画・製造・販売まで一気通貫で行うとのこと。いわゆるGMSのSPA強化の動きがイトーヨーカ堂とともに最近目立ちますが、Twitterでもご紹介した小島健輔氏のブログの指摘にもあるとおり、ウィルスキー氏のMDの手腕とそれを会社側がどこまでexecutionできるかがポイントになりそうですね。「ジャスコ」と「サティ」を「イオン」ブランドに統合する流れも含めてしばらく注目ということで。
トップのThe Newsからもうひとつは【「シュプール」編集部発信ブランド「es by spurshopper」デビュー】。雑誌によるオンライン販売は、WEEKLY NEWS DIGESTにリニューアルが取り上げられていたアシェット婦人画報の「エル・オンライン」の「エル・ショップ」などが早くからありますし、最近では「SENSE」の「ザ・ブラックセンス・マーケット」のような雑誌エクスクルーシヴなアイテムのオンライン販売の例もありますが、日本発の雑誌でオリジナルブランドをローンチした例は珍しいのでは。「シュプール」については同じくWEEKLY NEWS DIGESTに載っている妹版「シュプール ピンク」のローンチ(B5版で380円は魅力的!)と併せて今後の展開を追っていきたいところでございます。
メインの特集は2011SSのメンズのコレクショントレンド。徹底したミニマリズムを基調として、ピュアホワイトなスタイリングやボクシーなシルエット、モノトーン、90年代指向などが挙げられています。基本的には既に各所で語られている傾向ではありますね。個人的にはかなり好みなので楽しみではありますが。
最近のWWD JAPANの中では一番興味深い連載が【連載 我が社の中国戦略】なのですが今回はその第9弾。日本のバッグメーカーに焦点を当てています。「ホワイ」好調の話はどこかで聞いていましたが、冒頭で紹介されている「アクセソワ・ドゥ・マドモワゼル」は全然知りませんでしたですよ。それにしても上海では「バリー」がやたら人気みたいですね。
あと記事広告にはなりますが、8月から9月にかけて「モンクレール」のニューショップが続々とオープンする様子。ポイントは「S」「V」「ガム・ブルー」「ガム・ルージュ」「グルノーブル」などのラインの展開。注目は、メンズと「ガム・ブルー」「V」「グルノーブル」の西武渋谷(9/10オープン)と、ウィメンズで「ガム・ルージュ」「S」「グルノーブル」をそろえる松屋銀座(9/7オープン)あたりですかねー。ちなみに「ガム・ブルー」はトム・ブラウン、「ガム・ルージュ」はジャンバティスタ・バリですよ。復習。
今週のHIT ITEMSはセレクトショップコスメ編。ひたすらジョンマスターオーガニックが強いですよ、というお話。月1回の森本容子氏の連載では、「マウジー」と「S Cawaii!!」が10周年かー、と。
最後にMEMOの中では、ファーストリテイリングの勝部健太郎クリエイティブ マネジメントディレクターの独立が一番気になるところ。
とりあえず今週はこんなところですかねー。ではまた来週?
2010.08.26 Thursday
2011 Resort Alexander McQueen
Sarah BurtonによるAlexander McQueenの2011年のリゾートコレクション。
Lee McQueenの後を継ぐ最初のコレクションを披露したSarah Burton。デコラティヴな要素や造形などでLee McQueenの面影を感じさせながらも、リゾートコレクションらしくシンプルにまとめてきています。個人的には期待以上の出来。10月の2011年春夏のParis Fashion Weekでのランウェイデビューがいまから楽しみです。
Lee McQueenの後を継ぐ最初のコレクションを披露したSarah Burton。デコラティヴな要素や造形などでLee McQueenの面影を感じさせながらも、リゾートコレクションらしくシンプルにまとめてきています。個人的には期待以上の出来。10月の2011年春夏のParis Fashion Weekでのランウェイデビューがいまから楽しみです。
2010.08.26 Thursday
2011 Resort Balenciaga
Nicolas GhesquièreによるBalenciagaの2011年のリゾートコレクション。
カラーブロックとジオメトリックな柄使いはここ数シーズンの傾向を引き継ぎながらも、これまでになくスポーティ。そして前半はどこかプレッピー。中盤のボリュームの作り方とシルエットのバランス感も次につながるイメージとアイデアがある気がして2011年春夏への展開を色々妄想中。
カラーブロックとジオメトリックな柄使いはここ数シーズンの傾向を引き継ぎながらも、これまでになくスポーティ。そして前半はどこかプレッピー。中盤のボリュームの作り方とシルエットのバランス感も次につながるイメージとアイデアがある気がして2011年春夏への展開を色々妄想中。
2010.08.08 Sunday
2011 Resort Nina Ricci
Peter CoppingによるNina Ricciの2011年のリゾートコレクション。
なんだか最近になってPeter CoppingのNina Ricciを評価してもよい気分になってきましたよ。ショート丈のアイテムはどれも秀逸。シルエットとドレープや撓みによる立体的な素材感のミックスから生まれる直截なガーリー感。レースや刺繍で繊細さも見せながらも甘さ控えめなところがよい。パンツとかジャケットのルックを見て単にマニッシュというのは違うしね。
なんだか最近になってPeter CoppingのNina Ricciを評価してもよい気分になってきましたよ。ショート丈のアイテムはどれも秀逸。シルエットとドレープや撓みによる立体的な素材感のミックスから生まれる直截なガーリー感。レースや刺繍で繊細さも見せながらも甘さ控えめなところがよい。パンツとかジャケットのルックを見て単にマニッシュというのは違うしね。
2010.08.08 Sunday
2011 Resort 3.1 Phillip Lim
Phillip Limによる3.1 Phillip Limの2011年のリゾートコレクション。
最近の3.1 Phillip Limのコレクションの中では抜群に好き。光沢のあるベージュや(オフ)ホワイトに、テイラードと少しスローチーなシルエットの絶妙なミックスというのは、やはり彼の持ち味が最もよく発揮される組み合わせですね。グレーやブラウンとの合わせもとてもエレガント。レースやプリントの使い方も効果的。後半のダークブルーのアイテムも新鮮。
最近の3.1 Phillip Limのコレクションの中では抜群に好き。光沢のあるベージュや(オフ)ホワイトに、テイラードと少しスローチーなシルエットの絶妙なミックスというのは、やはり彼の持ち味が最もよく発揮される組み合わせですね。グレーやブラウンとの合わせもとてもエレガント。レースやプリントの使い方も効果的。後半のダークブルーのアイテムも新鮮。
2010.08.08 Sunday
2010-11AW Valentino Haute Couture
Maria Grazia ChiuriとPier Paolo PiccioliによるValentinoの2010-11年秋冬のオートクチュール。
いくつかのメインとなるテーマとモチーフが綺麗に展開されていてわかりやすいコレクションですな。実に。Valentinoとしてはこれで正解。もう少し華が欲しいけど。あとシアーなレース使いは興味深いがまだ詰めきれていない感じですな。チャンレンジとしてはいいけど。それに構築的な造形をエレガンスに転換する術をまだ体得しきっていないような気も。
端的にいうとやはり御大のクオリティには全然及ばないというところでますますの精進に期待ですな。一応クチュールも3シーズン目なのだけれど。これがValentinoでなければそれなりにおもしろいコレクションだと思うのだけれどね。
いくつかのメインとなるテーマとモチーフが綺麗に展開されていてわかりやすいコレクションですな。実に。Valentinoとしてはこれで正解。もう少し華が欲しいけど。あとシアーなレース使いは興味深いがまだ詰めきれていない感じですな。チャンレンジとしてはいいけど。それに構築的な造形をエレガンスに転換する術をまだ体得しきっていないような気も。
端的にいうとやはり御大のクオリティには全然及ばないというところでますますの精進に期待ですな。一応クチュールも3シーズン目なのだけれど。これがValentinoでなければそれなりにおもしろいコレクションだと思うのだけれどね。
2010.08.02 Monday
Movie: チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
トム・ハンクスもジュリア・ロバーツも全然好きではないのだけれど、これは本当は公開されたときに劇場で観ようかと思っていた作品。
マイク・ニコルズ監督による「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻に対するCIAの極秘作戦の経緯を、当時の下院議員で歳出委員会の国防小委員会メンバーだったチャーリー・ウィルソンの自伝を元に、コミカルに描いております。
1. 脚本はTVドラマ「ホワイトハウス」を手掛けたアーロン・ソーキンだけあって非常にバランスがよい。
2. マイク・ニコルズ監督の奥方はABCのキャスターのダイアン・ソーヤー。アドバイスとかあったのかしら。
3. トム・ハンクスは何の役をやってもトム・ハンクスにしか見えない。
4. フィリップ・シーモア・ホフマンがさすがの演技。何でもできる。この作品でアカデミー助演男優賞にノミネート。
5. ジュリア・ロバーツの笑顔は彼女がどんな役柄を演じたとしても素敵に輝く。
6. 個人的なベストシーンは、ポニーテールを揺らしながらヒールで足早に歩くウィルソンの秘書役のエイミー・アダムスをバックで追うシーン。
7. 何気にTVドラマ「ロズウェル」のシリ・アップルビーも秘書役で出ている。
よく知られたアフガニスタン侵攻秘話ではあるのだけれど、いまの混乱に至る遠因を改めて知る入口としても良い作品。ちなみにチャーリー・ウィルソン自身は今年2月に76歳で亡くなっています。
マイク・ニコルズ監督による「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻に対するCIAの極秘作戦の経緯を、当時の下院議員で歳出委員会の国防小委員会メンバーだったチャーリー・ウィルソンの自伝を元に、コミカルに描いております。
1. 脚本はTVドラマ「ホワイトハウス」を手掛けたアーロン・ソーキンだけあって非常にバランスがよい。
2. マイク・ニコルズ監督の奥方はABCのキャスターのダイアン・ソーヤー。アドバイスとかあったのかしら。
3. トム・ハンクスは何の役をやってもトム・ハンクスにしか見えない。
4. フィリップ・シーモア・ホフマンがさすがの演技。何でもできる。この作品でアカデミー助演男優賞にノミネート。
5. ジュリア・ロバーツの笑顔は彼女がどんな役柄を演じたとしても素敵に輝く。
6. 個人的なベストシーンは、ポニーテールを揺らしながらヒールで足早に歩くウィルソンの秘書役のエイミー・アダムスをバックで追うシーン。
7. 何気にTVドラマ「ロズウェル」のシリ・アップルビーも秘書役で出ている。
よく知られたアフガニスタン侵攻秘話ではあるのだけれど、いまの混乱に至る遠因を改めて知る入口としても良い作品。ちなみにチャーリー・ウィルソン自身は今年2月に76歳で亡くなっています。
2010.08.02 Monday
Movie: HERO
土曜日の夜なんとなくケーブルを観ていたら。
というわけでチャン・イーモウ監督の「HERO」。最近中国の国家お抱え芸術監督といった趣の強い彼ですが、もともとチェン・カイコーのもとで撮影監督とかやってたんですねぇ。うーん。それでショートな感想ですが。
1. ハリウッド的大作志向の武侠映画にしてはプロットはおもしろくて楽しめた。
2. 作品の売りのように語られているが、そんなに美しい映像ではないよね。
3. 映像表現にジョン・ウーの作品から感じられるような哲学が見えないからかな。
4. 意図的なのはわかるがあまいにも血が描かれてなくて違和感。
5. チャン・ツィイーはやはり人間の劇場をそのまま顔で表現してくれた方が良い演技になる。
同じくチャン・イーモウ監督による武侠映画の「LOVERS」も機会があったら眺めてみたいと思っていますよ。どちらも衣装がワダ・エミだし。金城武ってところがひっかかるが。
というわけでチャン・イーモウ監督の「HERO」。最近中国の国家お抱え芸術監督といった趣の強い彼ですが、もともとチェン・カイコーのもとで撮影監督とかやってたんですねぇ。うーん。それでショートな感想ですが。
1. ハリウッド的大作志向の武侠映画にしてはプロットはおもしろくて楽しめた。
2. 作品の売りのように語られているが、そんなに美しい映像ではないよね。
3. 映像表現にジョン・ウーの作品から感じられるような哲学が見えないからかな。
4. 意図的なのはわかるがあまいにも血が描かれてなくて違和感。
5. チャン・ツィイーはやはり人間の劇場をそのまま顔で表現してくれた方が良い演技になる。
同じくチャン・イーモウ監督による武侠映画の「LOVERS」も機会があったら眺めてみたいと思っていますよ。どちらも衣装がワダ・エミだし。金城武ってところがひっかかるが。