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2005.10.31 Monday

2006SS Givenchy

素晴らしかった2005-06AWオートクチュールに続き、期待の中ついにRTWデビューとなるリカルド・ティッシによるジバンシィ

7月クチュールの黒とは対象的に、真っ白く塗りつくされた会場で行われた、純白のコレクション。招待状には、ユベール・ド・ジバンシィが50年代に発表したトロンプロイユのスカーフがプリントされていたようです(左の人が抱えている)。

モデルは全員、前髪を上げたストレートヘア。目の周りを黒く縁取った、アンドロイドっぽい雰囲気のメイク。真っ白く塗りつくされた会場をぐるぐると回り、中央に配置されたソファに座っていくというプレゼンテーションに近い形式で発表されました。

ゴシックなディテールを、80年代のティエリー・ミグレーやアズディン・アライアを思わせる未来的でタイトなシルエットとマテリアルの中に表現。ベースとなっているAラインやYライン、Hラインといった50年代のクラシックなスタイルに加味されて、エレガンスとフューチャリスティックなゴシックが混在する、唯一無比な世界が作り出されています。

つま先の部分が開き、足首をベルトで覆う、古代ギリシアやローマを思わせるプラットフォーム・シューズが興味深い。中盤ではゴールドに輝くシューズが登場。

春夏といえば必ずと登場する鮮やかなカラーも、今季のトレンドであった刺繍をはじめとするロマンティックなディテールも殆ど見せず、そしてどのメゾンでもコアビジネスとなっているバッグもモデルに持たせないという、ストイックなまでに服の形とシルエットのプレゼンテーションにこだわった意欲的なコレクション。ティッシの友人であり、ミューズであるマリアカルラと、ショーの最後に抱き合って泣いているのが印象的でした。

個人的にはティッシも好きだし、コレクションとしても良く出来ていたと思うのだけれど、STYLE.COMで指摘されているように、フレグランスやコスメでリブ・タイラーをキャラクターにしているとは思えないような前衛性。ブランドとしてトータルな視点から考えた時、誰に向けてメッセージを発しているのか、いまいちよくわからない部分があります。でもこれって、ユベール・ド・ジバンシィ御大が引退して以来、いまだに解決していない問題なのだよね。この10年で、ジョン・ガリアーノ(1995〜96)、アレクサンダー・マックイーン(1996〜2000)、ジュリアン・マクドナルド(2001〜2004)、と4人のそれぞれ相当に個性の異なるデザイナーたちが担当してきて、誰も明確な新しいジバンシィのスタイルを確立せずに去っていったのだから。

でも、ティッシのジバンシィってなにか合っているような気がします。まだそれが何なのかはわからないけれど。だから、もう少し長い目で見てみたいところ。そんなことを思ったジバンシィでした。















ショーの後には、Vogue Paris主催のパーティが開かれたようです。写真はFrench Vougeのカリーヌ・ロワトフェルド編集長、リカルド・ティッシ、マリアカルラの3ショット。

2005.10.30 Sunday

2006SS Rochas

2005-06AWで抜群のコレクションを見せてくれた、オリヴィエ・ティスケンスによるロシャス。その優雅な繊細さと厳格さという、女性の2面性を同居させたような路線に、変わりはないようです。

super-chicなブラックのパンツ・スーツで幕を開けた今回。先シーズンに続きフルレングスのスカートに焦点を当てつつも、冒頭のような少しウォッシュド加工の施されたパンツ・スーツも多く見られたのが、これまでとの大きな変化です。

2005-06AWのロマンティックなエドワーディアン・スタイルは加え、同じロングのガウン・コートやロング・スカートでも、ハイネックのヴィクトリアンなブラウスやシャツを合わせた禁欲的なスタイリング。

ドレスはキャップ・スリーブが印象的。デコルデはきっちり隠されて控えめ。しかし、ランウェイを戻っていくモデルを見ると、後ろ身頃は大胆にベアバック。キャップスリーブの効果でまるで天使のよう。静謐さの中に、確かな強さを感じます。

今回はモネの「睡蓮」に着想を得たという作品もいくつか。刺繍といった明確な使われ方だけでなく、深い青のドレスに波打つシフォンといった形でも表現されているようです。ラストのドレス2点など。

個人的には中盤のジェマのグリーンのベアバックのシルクのドレスがベスト。
ヴァイオリン・ケースをモチーフにしたバッグも興味深いアイテム。意味もなく欲しい(笑)。

ゆっくりと自分のペースでロシャスの歴史を吸収し、進化させていくオリヴィエ・ティスケンスのロシャスでした。










2005.10.29 Saturday

2006SS Chloe

出産&育児休暇で1シーズンをデザインチームに任せていたフィービー・フィロ復帰のシーズンとなったクロエ

柔らかく体に沿うリアル・クローズを披露した2005-06AWとは一転、"I just wanted to do volume"というデザイナー本人の言葉どおり、構築的ながらふんわりとしたシルエットに挑戦したコレクション。

シックな60年代にインスピレーションを得たという今回は、レイヤード&ヴィンテージが中心だった前シーズンと較べて、肩から広がるクリーンな膝丈の、かなり直球のAラインの作品が目立ちます。足元は、ここでも今季の一大トレンドであるプラットフォーム・シューズ。

プラダなどを中心に見られたテーブルクロスのようなノスタルジックな刺繍やオーガンザのアップリケ、フリルなど、今シーズンのトレンドを全て詰め込み、エアリーでフェミニンなテイストにまとめています。色々な長さのリボン・ベルトもキュート。

またランバンなどと同様にネクタイもスタイリングを仕上げるキーアイテム。シャツにマイクロミニやチューリップ・スカートを合わせて。端正で確かなテーラリングのドレスやジャケットなども、忘れてはならないクロエのラインの一つです。

しかし現在のクロエを引っ張っているのは、やはりあまりに魅力的なそのバッグたち。超定番のPaddingtonの新作はもちろん、カジュアルなMarge、ジッパーがアクセントになっているトートのGladysなど充実。シンプルで機能的なEdithはウォッシュド・レザーが印象的。BettyやハードなマテリアルでキュートなフォームのPollyなども素敵です。

バッグも服も、ともかくかわいい。当分は快進撃の止まりそうにないクロエでした。
























2005.10.27 Thursday

Shanghai Tang

カルティエやクロエ、ヴァン・クリーフ&アーペル、ダンヒル、モンブランなどをを擁するスイスのブランド・コングロマリット=リシュモン・グループの隠し玉であるシャンハイ・タン(Shanghai Tang)。ついに11月11日、日本に上陸するそうです。まずは銀座から。並木通り南の西5番街通りです。

オリエンタルなテイストをフォークロアという狭い枠組みに押し込めてしまわず、よりヨーロッパのモードに寄せて、グローバルかつ普遍的なデザインを見せてくれるのが、このブランドの魅力。上海の"East Meets West"な気分を体現したモダンチャイニーズ・ラグジュアリーです。1994年設立の香港生まれのブランドがリシュモン・グループ入りしたのは、1997年。グループのバックも得て、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの主要都市に展開。多国籍なデザインチームが手がける作品を、日本でも手にすることができるようになります。

ちなみに2005-06AWのテーマは"Forbidden City"。紫禁城のことです。素敵な英訳だよね。オフィシャル・サイトでオンライン・ショッピングも展開しています。最近ではヴィトン、ディオール、グッチ、シャネルとビッグメゾンもみんな始めているし、いまさら驚くようなことでもないか。。。

2005.10.26 Wednesday

Miri Ben-Ari / The Pulling Strings Mixtape

少し前にアルバムデビューを飾った"The Hip-Hop Violinist"=Miri Ben-Ari。Twistaの"Celebrity Overnight"の客演をきっかけに知名度も上がった感じですかねー。

アルバム自体は全く興味はなかったのだけれど、Damon Dash監修のミックステープを発見したので買ってみました。中古で安かったし。"The Pulling Strings Mixtape"というタイトルです。ViolinをメインにしたHip-Hopのミックステープってちょぅっと興味あるでしょ(笑)?



アルバムからのトラックからも数曲。あとはFreestyleや既リリースの曲、クラシックをつなげていくHOT97風の普通のMixです。

そしてゲストがとても豪華。なにせDamon Dashですから(笑)。Jay-Zはもちろん、Kanye West、John Legend、Scarface、Ghostface、Anthony Hamiltonといった、いかにもなメンツから、Akon、Lil'Mo、Fabolous、はてはBeenie Manまで。

殆どの曲にViolinがfeatureされているのは珍しいけど、そこまですごい!という感じでもないかも。個人的には"Hypnotic"が収録されているのが嬉しい。そこそこ楽しめます。


B000A7Q1QK The Hip-Hop Violinist
Miri Ben-Ari
Universal

2005-09-20
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2005.10.25 Tuesday

Maroon5 / Jamiroquai

Maroon5のAdam Levineの声というか歌い方が誰かに似ていると思っていたのだよね。

いまさらなのだけれど、JamiroquaiのJay Kayでした。Sunday Morningを聴いているときに、はたと気付きました。

あるいはJustin Timberlakeも?まあ端的にいうと皆さんBlue Eyed Soulの範疇だったということなんでしょうな。もちろん僕ははじめから、Maroon5をロック・バンドだとは思ってませんけど(笑)。


B000B63EXS マルーン5 ライヴ!
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2005.10.23 Sunday

2006SS LANVIN

アルベール・エルバスによるランバン。ともかく彼のファンです。僕は。

テュイルリー宮で行われた今回のコレクションでは、いままでにないミニマリズムを見せてくれました。

シルエットは今シーズン多く見られたAラインではなく、ウェストに少し膨らみを持たせたIラインがメイン。

着物の帯にインスパイアされたというネイビーやオリーブのベルト、そしてドレス。服の立体感の出し方にどこか折り紙のような雰囲気も感じます。ブラックのサテンのレザー風トレンチも帯ベルトとのスタイリングがとてもクール。

ボトムはテイパード・パンツやタイトな膝上丈の上品でボディ・コンシャスなスカートが多く見られます。これは今季のトレンドに沿った流れですね。このスカートに帯ベルトでウェストマークしたオーバーサイズのジャケット合わせたスタイリングもおもしろい。シャツとのコーディネートでは今回のポイントとなるアイテムの一つである直線的なネクタイも。ジップアップ・ジャケットも少し気になるアイテム。

パリ・ミラノ・NY問わず見られたパテント・レザーのプラットフォーム・シューズがランバンでも足元を飾ります。。赤、ターコイズ・ブルー、エメラルド、イエローと色も豊富。パテントだけでなくベルベットやクロコ、パイソンなどもあるようです。個人的には今シーズンのシューズの中ではでベスト。こんなにエレガントなプラットフォームは見たことありません。ヒールとプラットフォーム、そしてストラップの全体のバランス感がパーフェクト。靴ってやはり彫刻とか建築、家具なんかに近い造形美が求められます。ほんとに。エルバス曰く"designing shoes like varnished cars - like a Cadillac!"みたいですが。そう、クルマもそうだね。

後半に並んだブラックのLBDたちは、エルバス−ランバンの本領発揮といった感じ。
最後に登場した赤のトレンチがまぶしい。

もう多くは語りません。写真が絞りきれなかったのでたくさん載せてしまいました。少し今シーズンのフランシスコ・コスタのカルバン・クラインに通じる部分もありますが、もちろんエルバスによるランバンが数段上。素材とクチュールの技法。そしてエレガンスを兼ね備えた、決して窮屈にはならないが、ちょっぴり厳格な一面も持ったミニマリズム。そして黒。

素敵です。


























2005.10.22 Saturday

2006SS Paco Rabanne

ペリー・エリス出身のパトリック・ロビンソンを迎えて2シーズン目のパコ・ラバンヌ

素材として、なんと500ものヴィンテージの着物を取り寄せてスライスして、再構築したコレクション。つまりお店に並ぶ品には、一つとして同じものは存在しないということです。ところどころに見える花柄なども、もとの着物の柄を活かしたものなのでしょうね。ワンピースのショルダーのスリップやトップスのウェストを絞るロープも着物から取ったものでしょうか。

このメゾンが伝統的に持つフューチャリスティックな雰囲気も十分に加えられています。防弾素材を意識したゴールドのメッシュといったマテリアル使いはもちろん、そのシルエットでもパコ・ラバンヌのイメージを引き継いでいます。スカートは全て膝丈より上に。ワンピースなどはAライン。エンパイア・ラインのスカートもいくつか。そして何よりも、今回メインのカラーとなったエレクトリック・ブルーが強烈に美しい。

ボトムはかなり細身のパンツやショートやミニ丈のチューリップ・スカートが目立ちます。そしてさすがNY出身のデザイナーだけあって、ウェアラブルなスタリングもきっちり揃えています。特に白のパンツとコートは完璧。

中盤に並んだ一連の黒い服たちは、とびきりモダンでシャープなカッティング。ただしパフスリーブやエアリーなスカートとの組み合わせで、とても軽やか。

ちなみにロビンソンの奥さんは、US VOUGEのヴァージニア・スミスだったんですね。最近知りましたよ。写真の最後の1枚がご夫妻の2ショット。

2シーズン目にして非常に興味深い作品をみせてくれたパトリック・ロビンソン。また一つ、歴史あるメゾンの再生ストーリーが始まっています。



















2005.10.22 Saturday

2006SS Prada

ミウッチャ・プラダをトレンド・セッターなどと評するのは、最早正確な表現ではないだろう。このモードの世界で、2シーズンを先取りできるデザイナーがいるとすれば、それは予言者と呼ばれるべきなように思う今日この頃。というわけで、ミラノの最後はプラダ

前シーズンのエレガンスから一転して、シンプルでモダンな今回のコレクション。パーツごとに色や素材を切り替えたりするのは、後日発表されたミュウ ミュウでも見られたデザイン。未来的な印象のIラインのワンピースやコート、ドレスなど、肩からすとんと落ちていく直線的なシルエットも今回の大きな特徴の一つ。ただし、ウェストをほとんど強調しない大きめのシルエットのワンピースなどもいくつか見られました。

素材はリネンやシルクなど、自然な素材が中心。くしゃっとした感じに加工されているところもポイント。トレンドカラーの白はもちろん、カーキやブラウンがかったグレー、黄褐色、ヌーディなピンクといった春の草原を思い起こすような柔らかいカラー・パレット。クリスピーな水色や褐色のプリントも興味深い。

クラフトなテイストのノスタルジーとシャープで無機質なラインが同居している、テーブルクロスのリメイクドレスは、今季のプラダの気分を表した代表てきな作品といえるかも。

少ししぼんだ感じのパフ・スリーブ、キルトのプリーツなど少女らしいムードのディテールも。ハイスクールの制服っぽい膝丈までの黒のストッキングも、ガーリーなアイテム。木製ビーズやアンティークな刺繍などで飾られたかわいらしいイブニング・ドレスもプラダらしい。

アクセサリーやバッグはポップなものがたくさん。キャリーバッグを引いて歩くモデルたちは未来からの訪問者?そして足元は、ゴールドやクロコとあわせた美しくゴージャスなウェッジ・ソールやエナメルのパンプスが飾ります。エナメル素材といえば、ブラックのサンバイザーがフューチャリスティックな今回の雰囲気を強調しています。

懐かしく新しい未来という、それ自体がすでに使い回された概念の再構築。ミウッチャ・プラダのモードの未来への冒険は、まだまだ終わることはなさそうです。


























2005.10.19 Wednesday

Christy Turlington / Canon IXY DIGITAL L3 / Excite

キャノンがエキサイトと組んでIXY DIGITAL L3スペシャルサイトを立ち上げています。



フィーチャーされているのはADにも登場しているクリスティ・ターリントン。コンテンツとしては、例によってヨガや彼女のPumaとのコラボレーション・ブランドであるnualaMahanualaについて書いてあったりと、ベタのもの。

クリスティはわりと好きだし、やはりお綺麗なのだが、それこそスーパーモデル時代の一角を担った御人を担いで「Love Fashion!」ってのは、あまりに荒唐無稽なんじゃないでしょーか(笑)。


B000BGEAM2 Canon IXY DIGITAL L3(ブラッドレッド) IXYDL3(RE)
キヤノン

2005-10-10
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