コソの出来事

SEARCH


America
2009.02.12 Thursday
もうすぐスタートから丸5年を迎えるこのブログの長年の読者の方(何人くらいいるのかわかりませんが)なら、昨年のアメリカ大統領選挙やその結果誕生したオバマ新大統領の就任演説について、私が沈黙を保っていることに若干の違和感をお持ちだったりするかもしれません。

まあ端的に書く時間がなかったというのが大きいのだけれど、ちょうど最近になって私の考えていることをまとめてくれたかのような文章に出会ったので、そのご紹介もかねてつらつらと。


溜池通信Vol.409 “オバマ大統領就任演説を読む” (双日総合研究所)
 これまで読んだ日本のメディアのオバマ大統領の就任演説の評があまりにも酷くて辟易していたのですが、双日総合研究所の吉崎達彦氏が非常に的確に表現してくれています。
オバマ就任演説は、「米国が辿ってきた旅」が全体のモチーフになっており、この「旅」に関する部分を抜き出してつなげてみると、オバマが言わんとしたことがおぼろげながら見えてくる。
 「全体で3回出てくる”journey”という名詞、2回出てくる”travel”という動詞ではないかと思う」とポイントを具体的に挙げているところも完璧。実際の就任演説を見てみると(和訳はYOMIURI ONLINEから)。。。

 This is the journey we continue today.

 これが今日、我々が続けている旅なのだ。

 So let us mark this day with remembrance, of who we are and how far we have traveled. In the year of America's birth, in the coldest of months, a small band of patriots huddled by dying campfires on the shores of an icy river. The capital was abandoned. The enemy was advancing. The snow was stained with blood. At a moment when the outcome of our revolution was most in doubt, the father of our nation ordered these words be read to the people:

 "Let it be told to the future world ... that in the depth of winter, when nothing but hope and virtue could survive... that the city and the country, alarmed at one common danger, came forth to meet [it]."

 America. In the face of our common dangers, in this winter of our hardship, let us remember these timeless words. With hope and virtue, let us brave once more the icy currents, and endure what storms may come. Let it be said by our children's children that when we were tested, we refused to let this journey end, that we did not turn back, nor did we falter; and with eyes fixed on the horizon and God's grace upon us, we carried forth that great gift of freedom and delivered it safely to future generations.


 だから、我々が誰なのか、どれほど長い旅をしてきたのか、その記憶とともにこの日を祝おう。米国誕生の年、酷寒の中で、愛国者の小さな一団は、氷が覆う川の岸辺で、消えそうなたき火の傍らに身を寄せ合った。首都は見捨てられた。敵は進軍してきた。雪は血で染まった。我々の革命の結末が最も疑わしくなった時、我が国の祖は、この言葉を人々に読むよう命じた。
 
 「酷寒の中、希望と美徳しか生き残ることができない時、共通の脅威に気づいた町も田舎もそれに立ち向かうために進み出た、と未来の世界で語られるようにしよう」

 アメリカよ。我々自身が共通の脅威に直面している時に、我々自身の苦難の冬に、時を超えたこれらの言葉を思い出そう。希望と美徳を抱き、このいてつく流れに再び立ち向かい、どんな嵐が訪れようとも耐えよう。そして、我々の子孫に言い伝えられるようにしようではないか。我々が試された時、旅を終わらせることを拒み、後戻りすることも、くじけることもなかった、と。そして、地平線と神の慈しみをしっかりと見つめ、自由という偉大な贈り物を運び、未来の世代に無事に届けた、と。

 この2箇所こそが、あの演説の最も重要なポイントであり、あまりにアメリカ的な部分でもあったりするのです。やはりアメリカというのは、歴史との一体感という意味で現在進行形の国家であり、いまでもフロンティアであり続けているという意識を根底に持っているのだということを再認識。それを国民に対して改めて呼びかけ思い起こさせるという点において、名演説ではなかったことは確かですが、なかなかの名文なのではないかと思った次第。


とはいえ、私自身はご存知のとおり完璧に共和党支持者なもので、これからの4年は雌伏の時期なのですがね。


オバマ演説、盛り上がり8分目の理由 (NBonline)
色々書いたけれども、一般の人の肌感覚はこちらなのだろうな、という。


溜池通信Vol.405 “米2008年選挙の出口調査から” (双日総合研究所)
 舵取りはやはり大変。というかニューディールとかあり得ない。
 察するに今回の選挙結果は、「反ブッシュ・脱共和党」のトレンドが原因であって、リベラル勢力が盛り上がったわけではない。現に民主党員だと名乗る人は37%いても、自分がリベラルだと思っている有権者は22%しかいない。

 民主党が大統領、議会選挙の双方で大勝利を収めたことから、「新ニューディール」的な政策を予測する向きが少なくない。しかし、仮に次期政権が「大きな政府」「規制強化」「保護貿易主義」などの、伝統的な民主党の方針を目指すとしたら、それは民意に反しているということになるだろう。


溜池通信Vol.408 “オバマ新政権人事の研究” (双日総合研究所)
 「政策よりも政局の人」であって、政策論争の中身にはさほどこだわっていないのでは、という指摘は秀逸。まあ徹底した現実主義者であることの顕われと解釈してあげてもよいけれど。
 だとすれば政権人事において、労組出身者や反戦運動家、あるいは極端な環境保護派やフェミニストなどのリベラル勢力を重要ポストで遇しないことは賢明な方針だといえる。それをすると、社会のマジョリティである中道から保守層を一気に失望させる危険性があった。おそらくオバマは自分自身で選挙結果を分析して、米国社会の空気をちゃんと読んでいるのではないだろうか。


オバマ当選の明と暗を展望する(SAFETY JAPAN)
 とはいえ根底では超リベラルなんですけど、というお話を改めて。


テロ対策と人権の間で揺れるオバマ大統領 (SAFETY JAPAN)
 キューバのグアンタナモ米海軍基地内にあるテロ容疑者収容所の閉鎖などを巡って。
 ブッシュ大統領の補佐官として対テロ対策などを担当したマーク・タイセン氏が「2688日」と題する論文をワシントン・ポストに寄稿したのだった。 2688日というのはブッシュ政権下で9・11テロ事件以降、米国内でのテロがまったく発生しないままだった期間の日数である。タイセン氏はテロを皆無に抑えたことをブッシュ政権の誇るべき実績だと強調し、オバマ大統領が今回、取った措置はこのテロ皆無記録を破る危険に満ちていると警告した。



ちなみにジョージ・W・ブッシュ大統領に関する私の評価は、2005年当時にこのエントリを書いたときと少しも変わっていません。こんなレポートもあったりしますしね。
| Politics | 01:37 | comments(0) | - |
マルチチュード/アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート
2005.12.18 Sunday
先週の朝日新聞に、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートによる「<帝国>」の続編となる「マルチチュード」の書評が載っていた。朝日の書評でほぼ唯一まともなことを書いていると言っても柄谷行人氏によるものだが、今回も秀逸。逆にこの上下巻、もう読まなくてもいいんじゃないかと思うくらい。

「<帝国>」は、安易な反米感情が高まっている中での日本語版の敢行だったので、興味を持ちつつもなんとなく遠ざけていたのでした。実際には、エマニュエル・トッドのような偏狭な主張とは全く異なるものだけれどね。11/12の日本経済新聞に掲載されていた、この間のフランスの暴動についてのインタビューで見せた、ご都合主義には正直呆れました。Fixing A Holeというブログでインタビューの概要を見つけたので、興味があればどうぞ。 

話を戻すと、この「マルティチュード」という本は、柄谷氏の評の最後のこの2段落で、完全に要約されてしまっているように思われる。
 ネグリとハートは、マルクスのいうプロレタリアートは労働者階級のように限定されたものではなく、マルチチュードにほかならないという。初期マルクスの考えは確かにそのようなものだ。その意味では、本書は『共産党宣言』(一八四八年)を現代の文脈に取り戻そうとする試みといえる。すなわち、帝国(資本)対マルチチュード(プロレタリアート)の世界的決戦。

 しかし、このような二元性は、諸国家の自立性を捨象する時にのみ想定される。こうした観点は神話的な喚起力をもち、実際、それは六〇年代には人々を動かしたのである。とはいえ、私は、このような疎外論的=神話的な思考をとるかぎり、一時的に情念をかき立てたとしても、不毛な結果しかもたらさないと考える。グローバル資本主義(帝国)がどれほど深化しても、国家やネーションは消滅しない。それらは、資本とは別の原理によって存在するのだから。
単に世界を資本主義=帝国主義あるいは多衆主義≒共産主義のどちらのネットワークに縮減して捉えるかという違いということになるのだろうけど。マルチチュードなネットワークって、インターネットによってようやく現実のものになりつつあるけれどね。それは帝国主義的なネットワークと対立したり取って代わったりするものではなくて、一部補完的な存在に過ぎないことも事実だが。

ちょっと面白そうなので、年末ばーっと読んでしまおうかと思います。色々たまっている分と合わせて(笑)。


4140910410 マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義
アントニオ・ネグリ マイケル・ハート 幾島 幸子
NHK出版

2005-10-30
おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools



4140910429 マルチチュード 下 ~<帝国>時代の戦争と民主主義
アントニオ・ネグリ マイケル・ハート 幾島 幸子
NHK出版

2005-10-30
Amazonで詳しく見る by G-Tools



4753102246 <帝国>
アントニオ・ネグリ マイケル・ハート 水嶋 一憲
以文社

2003-01-23
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見る by G-Tools
| Politics | 04:09 | comments(0) | trackbacks(1) |
総選挙
2005.09.11 Sunday
予想通りのこととはいえ、かなりすごいですね。今回の選挙は。

今回の選挙の最大の特徴は、小泉政権の勝利が、地元のそれぞれの自民党候補及び比例区で自民党に投票したすべての人にとっての勝利と同じような感覚で受け止め得る一体感が存在していること。当然このユーフォリアは、自民党の圧勝の度合いが強まれば強まるほど、乗数的に高揚していくもの。

次の臨時国会は、議員たちは小泉政権の強さに沈黙し、国民がかなりのテンションでそれを見守るという、さながら1792年のパリのような状況が現出するのかも。これで参議院が再度否決しようものなら、今度もいとも簡単に国民投票で参院廃院の審判が下るでしょう(笑)。なんにせよ、単なる反自民の糾合という形で誕生した細川政権とは異なり、郵政民営化や小泉純一郎そのものへの支持というより明確な強い国民の総意のもとに、政策が決められていくのなら、これは相当な変化です。

小泉純一郎という政治家を、あえて歴史上の人物になぞらえるならば、ルイ・ナポレオン=ナポレオン3世のような気がします。かなり感覚的になのだけれど。大衆の支持に立脚し革命的な政策と手法を掲げる政治家であったこと、逆クーデターといった形で自らの政治的基盤を強化したこと、どこか抜けた雰囲気があったところとかが、そう思わせるのかも?

これまで日本でも不当な評価を受けていたナポレオン3世を、きっちり描いているらしいのが、鹿島茂氏による「怪帝ナポレオン3世」。まだ手をつけていなかったのだけれど、これをきっかけに読むことにしました(笑)。


4062125900 怪帝ナポレオン3世
鹿島 茂
講談社

2004-11-30
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見る by G-Tools


同じ鹿島茂氏の同系統の本としては、ナポレオン・タレーラン・フーシェの三人を描いた「情念戦争」がかなりオススメです。


4797670800 情念戦争
鹿島 茂
集英社インターナショナル

2003-10
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見る by G-Tools
| Politics | 23:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
谷口智彦外務副報道官
2005.08.06 Saturday
ちょっと古いニュースだけれど、注目です。8/1付の外務省人事。先月21日の内定人事なのに気が付かなかった私も私ですが。。。

NHKでキャスター及び解説委員という経歴を持つ民間からの初起用ということで注目された高島肇久外務報道官が7/31で退官。後任は鹿取克章領事局長です。そして今回の外務報道官人事の肝は、新設の外務副報道官。このブログでも何回か紹介している、私が最も信頼しているジャーナリストである谷口智彦氏です。

町村信孝外務大臣から直接口説かれたそう。僕は町村外相もわりと好きなのだが、なかなかの見識というもの。

高島氏に比べると、わりと思想がはっきりしている気もするのでちょっとびっくりですが、それだけ意思のある外交をしようということなのでしょう。かなり期待しています。


通貨燃ゆ―円・元・ドル・ユーロの同時代史
谷口 智彦
日本経済新聞社

2005-03
Amazonで詳しく見る by G-Tools



タテ読みヨコ読み世界時評
谷口 智彦
日本経済新聞社

2004-07
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見るby G-Tools
| Politics | 14:38 | comments(1) | trackbacks(0) |
その人
2005.02.12 Saturday
自分で語らずとも、誰かが言いたいことを代弁してくれていることがよくある。モードであればWWDジャパン編集長である三浦彰氏だし、ブラック・ミュージックであればRhythm Nationを運営している鈴木哲章氏(この人のすごごいところはFiona Appleも高く評価しているところだ)。東京における都市開発なら森ビルの森稔氏。建築家だと・・・うーん。Jean NouvelもRem Koolhaasもちょっと違うと感じる時があるからな。そして政治においては、日経ビジネスの谷口智彦氏。

そう、今回は相当ひさしぶりに政治の話題。アメリカにおいてでさえ、ジョージ・W・ブッシュという人間を理解できていない人が多いという現実。
私が常々この大統領について感じていることをわかりやすくまとめられてしまいました。
日経ビジネスEXPRESSという、日経ビジネスを定期購読している人のみがアクセスできるコンテンツがあり、その中で毎週谷口氏が書いている記事からの引用です。先週更新された内容。全文引用してしまいます、ほんとに。できるだけ多くの人が知るべきだろうという単純な理由から。

2005.02.04 UPDATE

革命家ジョージ・W・ブッシュ

 ジョージ・W・ブッシュ氏の考え方が分からないと言ったり、政権が打ち出す新機軸にいちいち驚いたりする人は、要するに無知をさらけ出しているに過ぎない。――カイロン・スキナーという米国現代史の研究家がそう言っている。
 テキサス州知事時代、あるいは2000年の大統領選挙の期間中、ブッシュ氏が言ったことを丹念に見ていくと、今日の政策が見事に語りつくされている。単なるその場の思いつきは、ブッシュ政権の政策にほとんどない、のだそうだ。

▼レーガン氏との共通点

 実は故ロナルド・レーガン氏がまったく同じだったと、スキナー氏は書いている。大統領選挙に立つ前の1970年代後半、レーガン氏は月曜から金曜まで毎日欠かさず3分間政策をラジオで語り、その声は全米2000万〜3000万人に届いていた。そこで話された中身は、政権に就いてから実地に政策となる内容そのものだったという(以上はウォールストリート・ジャーナル2月2日付記事による)。

 レーガン氏がアルツハイマー病を患い表舞台にすっかり現れなくなった頃を境に、米国各所の大学で少しずつ同氏を再評価する作業が始まった。筆者はこれを、米国のインテリたちによる一種の贖罪行為だったとにらんでいる。現役当時、「俳優上がり」のどうのと、不当な陰口をきいたことが後ろめたくなったせいではないか、と。

 ブッシュ氏について、何事か断定的に物を言うのはいかにも早い。しかしここは多少のリスクを覚悟のうえ、同氏についてもレーガン氏に関してと同様、米国内外のインテリ達がこぞって反省する日はじき来ると言っておきたい。

 なるほどブッシュ氏は、本人自身認める通り、言語操作能力に長けているとは言えない。まさにこの能力で勝ち上がってきたインテリたちに、ブッシュ氏は一言で言うと無能に見える。これはちょうど、学がないといってレーガン氏を小馬鹿にしたがったのに似た心理の働きだ。

 この先まず米国で、ブッシュ氏は見かけほどデクノボウではなかったと、見直しが始まるだろう。少なくともその発言にウソはなく、やると言ったことをやろうとする信念の度合いを、誰も否定できなくなるだろう。ブッシュ氏の政策に、皆が同調するだろうというのではない。けれども無視したり、軽口を叩いて片付けられる類のものでないことには気づくだろう。

▼クリントン政権のスターが語るブッシュ氏

 先ごろブルッキングズ研究所へ話しに来たジョージ・ステファノプロス氏によると、プライベートな場で見るブッシュ氏は、テレビに映る姿よりはるかに寛ぎ、旺盛な知的好奇心を示すのだという。

 ギリシャ系の名を持つこの人物は、クリントン政権発足に際しメディア対策で大活躍。ホワイトハウス入りし、一時は若手スタッフの代表格としてグルーピーまでいた人だ。「あなたのボスに比べ、いまの大統領はどうですか」と問われたのに対するステファノプロス氏の答えがこれで、聞いた所員はというとブッシュ氏を愚弄したい気持ちをはぐらかされたか、当惑気味の顔を見せた。

 そういう顔が、米国発、世界へ広がっていきそうな予感を持つのは、2月2日の一般教書演説を聞いてその「革命的」調子に改めて驚かされたからである。ここにいるのは、好むと好まざるとにかかわらず、世界を変えようと大真面目な人だ。

 この際、ブッシュ演説には北朝鮮問題に関する言及が申し訳程度にしかなかったとか、あれが欠けていた、これがなかったとあげつらうことに意味はない。昔ふうに言うと、内外政とも「一点突破・全面展開」の路線を敷いたことを明らかにした演説であって、一点急所と目すところに力を集中すれば、残りは自らついてくると信じたうえでの路線だからである。

 内政の急所は年金改革である。年金の問題は、2018年になってようやく本格的に噴出すると言われている。ブッシュ氏が任期を終えて後、2度の大統領選挙を経てようやくあらわになる問題に過ぎない。だから放置しようとする立場があり得るだろうに、選挙を気にしないでいい自分にこそ取り組ませてくれと、ブッシュ氏はそう言いたいようだ。他方外政は、パレスチナ和平と中東の民主化である。

▼「超」のつく難題にあえて挑む

 内政、外政で急所とされた両者に共通するのは、第一にいずれも「超」のつく難題であること、だから第二に、あえて取り上げなくても非難がましいことは言われないだろうこと、にもかかわらずこれを正面の課題に据えることによって第三に、利他的行為に政治生命を賭そうとしていることを鮮明にしたところである。

 ブッシュ氏の指導力、ひいては米国の道徳的指導力は、以上の一から三までを周囲を驚かす愚直さで、1000人単位の犠牲すら惜しまずやってのけようとするところからくると、そう見ているかのごとくだ。カーブもフォークも投げない。剛速球の直球一本で行くと、喩(たと)えて言えばそんな感じか。

 人間とは変わらぬものであると考えるのが保守思想の精髄とすれば、いや変われる、変えることができると考えるのは進歩思想であって、その極端な形態が革命思想である。ブッシュ氏を革命家と呼ぶのは、そのような意味においてだ。

(谷口 智彦=編集委員室主任編集委員、ブルッキングズ研究所CNAPSフェロー)

私が彼を信頼するのは、ただただ彼がその理想を強く信じ、実現しようという明確な意志と力を持っているから。そしてその理想自体は、多くの人にとって非難したりすることのできないもののはず。
アメリカの政治地図上では極左に位置するジョン・ケリーや多くの有力メディアは現実を見よ、という。現実を見るというのが、単なる妥協や傍観、ナチに対してそうであったような融和策のことをいうのであれば、そんなものは唾棄すべきだ。
とまあ、思う次第です。もっと色々な面から、いわゆる新保守主義革命と呼ばれている様々な政策の妥当性を見ていくことはできるのだけれど、今回は特に触れず(笑)。あまり公の場でこういう論議をするのは好まないもので。簡単に言うと、人間の本質により無理がないかどうかというところに集約されていたりするのかな。
| Politics | 01:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
Romantic?
2004.10.08 Friday
基本的に社会でおこっていることとか、政治とか経済とか、そういうものを見る目は極めて現実主義的かつ保守主義的な私なのだが、実際の生活ではどうしようもなくromanticな部分もあるというのも事実。。。まあ、一部の人には知れているのだろうがねー。

音楽やデザイン、建築とか写真とかをここまで好きなのに、政治思想がso-called neo-conservativeな人は珍しいのでしょうな。

なんというかね、保守派といってもスコウクロフトのような慎重な現実主義ではないし、ましてや既得権益を守るという意味での保守でもないので、なんともいえないが。

はっきりいえるのは、現実主義=慎重派/国際協調・融和派というならば、そんなものは唾棄すべきだということ。それってナチスの拡大を防げなかった戦間期のイギリスやフランスと同じでしょ?

そうじゃなくて、いまならば、実際にある危険を注視できるかどうかが、それにちゃんと対峙していけるかが本当のRealismでしょう。

9.11以降、あるいはイラク戦争以降、世界がより危険になった?本当は身近にあった危険をようやく認識できるようになっただけでじゃない?大量破壊兵器そのものが実際になければ、戦争をする理由にならないとでも?制裁という意味では査察を拒んでいるというだけで根拠は十分。それにもまして、何十万というシーア派やクルド人を虐殺し、領土拡張の意欲を隠そうともしない政権を放置しておくことにどういう理由があるのか説明してもらいたいものだ。まあ、自国の経済的利益のためにフセインと組んだのはフランスやドイツなのだからね。

テロリストが出てくる背景を作っているのがアメリカだっていうけどさ。なぜテロをする人側の立場に立つ必要があるの?自分の不遇の原因を、社会や世の中のせいにするのは簡単だけれど、それを認めてしまってどうするのさ。

理想と理念があって、それを実現する意志と力があるものが世界を動かすのは当然のこと。ドイツ統一だって、コールという一人の政治家の強い意志があってこそ実現したことだし。新保守主義といわれる人達の考え方って、そんなに違和感を覚えるようなもんではなく、常識的に考えれば、そうとしか結論の出ないものだと思うんだけどね。

なんか中途半端だけど、ここでおしまーい。
別に論説書く場じゃないし(笑)。
| Politics | 14:50 | comments(0) | trackbacks(1) |
アンチ
2004.07.11 Sunday
っていう立場は大嫌いだ。

アンチ巨人とか、反自民とか反ブッシュとか反米とか。反自民とかもね。
そういうことを言う人たちは大抵避難するばかりで、代わりの案を出しては来ない。うまくいかないだろう、ということは簡単だが、じゃあどうすれば良くなるのか、解決するのかが全然見えてこない。

それならば、何かを成し遂げる力とその意志を持つ人たちを私は圧倒的に支持するね。
そこに明確な意志と力、ヴィジョンがあるか、ということ。

あんま関係ないが、西欧風の勢力均衡的概念は、いま聞くと唾棄したい気分になる。トランスニストニア。欧米ではよく知られた地名で、かつてはソ連に属し、ユダヤ人の大量虐殺が行われたらしい。いまではカラシニコフの世界でも最大の生産工場をもち、犯罪者まがいのならずもの大統領が統治する中、紛争地域への武器の横流しもやっているようで。欧州の大国はこれを放置し続けている訳で、イラクの件でもそうだがヨーロッパの態度というのは実に偽善的ただ。

こういうネタを日本人に伝えてくれる日経ビジネスの谷口智彦さんは、日本にとって本当に大切な人だと思います。田勢康弘さんと並んで私の信用する数少ないジャーナリストの一人。


タテ読みヨコ読み世界時評
谷口 智彦
日本経済新聞社

2004-07
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見るby G-Tools



総理の座
田勢 康弘
文芸春秋

2000-04
おすすめ平均 
Amazonで詳しく見るby G-Tools
| Politics | 13:18 | comments(0) | trackbacks(0) |