2011.03.27 Sunday
2011-12AW Anne Valérie Hash
Anne Valérie Hashの2011-12年の秋冬コレクション。
柔らかなレイヤードのスタイリングをベースに、いつもよりさらにスローチーなシルエットで、Style.comの評にも"pajamalike"とあるように、よりリラックスした雰囲気を演出。そこに直線的でボールドな素材感のジャケットを乗せ、ボトムもくるぶし丈のクロップトなバンツにとチャンキーなプラットフォームを足元に合わせるバランス感覚も、マニッシュな要素を巧みに取り入れるAnne Valérie Hashらしさが少し違う形で表現されているようにも感じたり。
しかしなによりも大事なのは、クチュールも手掛ける確かな技術で表現されるディテールの素晴らしさ。というわけで、今回も個人的にはAnne Valérie Hashの2011-12年秋冬のコレクションでした。
柔らかなレイヤードのスタイリングをベースに、いつもよりさらにスローチーなシルエットで、Style.comの評にも"pajamalike"とあるように、よりリラックスした雰囲気を演出。そこに直線的でボールドな素材感のジャケットを乗せ、ボトムもくるぶし丈のクロップトなバンツにとチャンキーなプラットフォームを足元に合わせるバランス感覚も、マニッシュな要素を巧みに取り入れるAnne Valérie Hashらしさが少し違う形で表現されているようにも感じたり。
しかしなによりも大事なのは、クチュールも手掛ける確かな技術で表現されるディテールの素晴らしさ。というわけで、今回も個人的にはAnne Valérie Hashの2011-12年秋冬のコレクションでした。
2011.03.27 Sunday
2011-12AW Azzaro
Vanessa SewardによるAzzaroの2011-12年の秋冬コレクション。
今季はサンバイザーを合わせたスタイリングもあって、いつになくスポーティでシンプルな印象。カラーパレットも、クリスタルの刺繍を施したゴールドとシルバーのレースのルックを除けば、ほぼ黒をメインに数点の白のアイテムを加えた構成に。白のライニングもモダンな雰囲気を強めていますね。
それでも、リボンモチーフのディテールやケープなバックスタイルにプリーツ、そしてトランスパレントな素材使いで、フェミニンな要素もVanessa Sewardらしく主張し過ぎない形でしっかりと盛り込んでいます。丈も膝上のアイテムが多いのがポイントですねー。あとはオールインワンなアイテムも今回の特徴のひとつかも。
Vanessa Sewardは、60年代のフレンチポップのスターであるSylvie Vartanからの影響に言及しているようで。
個人的にはタキシードとピーコートをミックスしたようなルックがあったりしたのがうれしかったりしましたが。
残念ながら後日Vanessa SewardがAzzaroを去ることが発表され、彼女による最後のコレクションとなってしまった今季。Azarroの後任のデザイナー選びとVanessa Sewardの次の動きに、今後しばらく注目です。
今季はサンバイザーを合わせたスタイリングもあって、いつになくスポーティでシンプルな印象。カラーパレットも、クリスタルの刺繍を施したゴールドとシルバーのレースのルックを除けば、ほぼ黒をメインに数点の白のアイテムを加えた構成に。白のライニングもモダンな雰囲気を強めていますね。
それでも、リボンモチーフのディテールやケープなバックスタイルにプリーツ、そしてトランスパレントな素材使いで、フェミニンな要素もVanessa Sewardらしく主張し過ぎない形でしっかりと盛り込んでいます。丈も膝上のアイテムが多いのがポイントですねー。あとはオールインワンなアイテムも今回の特徴のひとつかも。
Vanessa Sewardは、60年代のフレンチポップのスターであるSylvie Vartanからの影響に言及しているようで。
個人的にはタキシードとピーコートをミックスしたようなルックがあったりしたのがうれしかったりしましたが。
残念ながら後日Vanessa SewardがAzzaroを去ることが発表され、彼女による最後のコレクションとなってしまった今季。Azarroの後任のデザイナー選びとVanessa Sewardの次の動きに、今後しばらく注目です。
2011.03.27 Sunday
2011-12AW Alexis Mabille
Alexis Mabilleの2011-12年の秋冬コレクション。
いや実は今季に関してはコレクション期間中にルックを眺めた時からちょっと迷っておりましてね。しばらく経ったいまでもやはりそうだったのでした。しかし端的に違和感の源泉はペイズリーだという結論に。タートルネックやカラー付きのアイテムをレイヤードのベースにするスタイリングについてはまあケースバイケースかなー。それ以外の要素は分解していくといつも通りなのですが。
というわけで個人的に微妙に感じたモチーフを完全に排除したら、非常に満足な結果になったという次第。つまり後半以降はかなり好きなのでございますよ。クチュールからの流れを受けたドレスも終盤にはありましたが。まあこんなこともあるさ。
いや実は今季に関してはコレクション期間中にルックを眺めた時からちょっと迷っておりましてね。しばらく経ったいまでもやはりそうだったのでした。しかし端的に違和感の源泉はペイズリーだという結論に。タートルネックやカラー付きのアイテムをレイヤードのベースにするスタイリングについてはまあケースバイケースかなー。それ以外の要素は分解していくといつも通りなのですが。
というわけで個人的に微妙に感じたモチーフを完全に排除したら、非常に満足な結果になったという次第。つまり後半以降はかなり好きなのでございますよ。クチュールからの流れを受けたドレスも終盤にはありましたが。まあこんなこともあるさ。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW Doo.Ri
Doo-Ri ChungによるDoo.Riの2011-12年の秋冬コレクション。
ここでも何度も書いていますがNYで一番好きなブランドがDoo.Ri。
今回のコレクションはアーティストのBeverly Semmesによるドレスのスタディから生まれたフロアレングスのロングなスタイルが中心に。
いつもよりボトムに重点の置かれた大振りなシルエット。ミニマルに流れるドレープと繊細な刺繍で豊かに表情を演出するいつもの手法を用いつつ、足元のサイハイなレングスのレースのブーツでアクセントをつけるというこれまでにないスタイリングが印象的。特にグレーのフェルトのコートやジップアップのジャケットといったタイトなアウターではストロングなイメージが強調されていたり。
個人的には終盤に並んだドレスがやはり好きですねー。
コレクション毎に少しずつ新しい側面を見せてくれるDoo.Ri。今回も素敵なコレクションで大変満足でございました。
ここでも何度も書いていますがNYで一番好きなブランドがDoo.Ri。
今回のコレクションはアーティストのBeverly Semmesによるドレスのスタディから生まれたフロアレングスのロングなスタイルが中心に。
いつもよりボトムに重点の置かれた大振りなシルエット。ミニマルに流れるドレープと繊細な刺繍で豊かに表情を演出するいつもの手法を用いつつ、足元のサイハイなレングスのレースのブーツでアクセントをつけるというこれまでにないスタイリングが印象的。特にグレーのフェルトのコートやジップアップのジャケットといったタイトなアウターではストロングなイメージが強調されていたり。
個人的には終盤に並んだドレスがやはり好きですねー。
コレクション毎に少しずつ新しい側面を見せてくれるDoo.Ri。今回も素敵なコレクションで大変満足でございました。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW Jason Wu
Jason Wuによる2011−12年の秋冬コレクション。
NYFWで最も注目を集めるデザイナーのひとりにまでの人気となったJason Wu。もちろんデビューの頃からコレクションはチェックしているわけですが、間違いなくキャリアの中でもベスト。彼のこれまでのコレクションの中で初めて私が手放しで絶賛という感じでございます。
今季については、“Baroque American sportswear”というデザイナー本人のコメント以上に的確な表現はおそらくないのですが、Robert Polidoriの撮った25年にわたるヴェエルサイユ宮殿の修復の写真に影響を受けているとのこと。会場に置かれた鏡やランウェイのフレームや足元のヒールにも見られたゴールド使いもルイ14世へのオマージュといったところでしょうか。
引き続きテイラードに重点を置きつつ15種類の異なるものを用意したというレースや石を乗せて装飾的に。シグニチャーになりつつあるオストリッチのフェザーのドレスも変わらず素敵ですね。
まあリアルクローズ過ぎるであるとかセクシーな要素に欠けるという評価は引き続き当てはまる部分でもありますが、ここまで高度にバランスの取れた美しいコレクションであれば今回は目をつぶってもよいかなーと思ったりはします。これからの課題ではあるものの、しばらくはこの感じでも。
端的にファンタジーとストーリーが足りないということなのだよね。例えばJason Wuのキャンペーンとか考えた場合に素敵な絵が思い浮かびにくいかも。など。
"Miss Wu"の名前を見せたフットウェアやハンドバッグなどでアクセサリーの本格展開の準備も余念なく。
これからの展開にさらに期待したいJason Wuの2011−12年の秋冬コレクションでした。
NYFWで最も注目を集めるデザイナーのひとりにまでの人気となったJason Wu。もちろんデビューの頃からコレクションはチェックしているわけですが、間違いなくキャリアの中でもベスト。彼のこれまでのコレクションの中で初めて私が手放しで絶賛という感じでございます。
今季については、“Baroque American sportswear”というデザイナー本人のコメント以上に的確な表現はおそらくないのですが、Robert Polidoriの撮った25年にわたるヴェエルサイユ宮殿の修復の写真に影響を受けているとのこと。会場に置かれた鏡やランウェイのフレームや足元のヒールにも見られたゴールド使いもルイ14世へのオマージュといったところでしょうか。
引き続きテイラードに重点を置きつつ15種類の異なるものを用意したというレースや石を乗せて装飾的に。シグニチャーになりつつあるオストリッチのフェザーのドレスも変わらず素敵ですね。
まあリアルクローズ過ぎるであるとかセクシーな要素に欠けるという評価は引き続き当てはまる部分でもありますが、ここまで高度にバランスの取れた美しいコレクションであれば今回は目をつぶってもよいかなーと思ったりはします。これからの課題ではあるものの、しばらくはこの感じでも。
端的にファンタジーとストーリーが足りないということなのだよね。例えばJason Wuのキャンペーンとか考えた場合に素敵な絵が思い浮かびにくいかも。など。
"Miss Wu"の名前を見せたフットウェアやハンドバッグなどでアクセサリーの本格展開の準備も余念なく。
これからの展開にさらに期待したいJason Wuの2011−12年の秋冬コレクションでした。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW Rag & Bone
David NevilleとMarcus WainwrightによるRag & Boneの2011−12年の秋冬コレクション。
昨シーズンの春夏で突然遅れてきたフューチャリスティックなコレクションで、個人的にはかなり評価下がっていたのですが、よりグラフィカルな要素をうまく抽出してトライバルに転換し、スキーウェア的なアスレチックな要素と組み合わせることで、これまでのRag & Boneらしいロックでシックでどこか温かい雰囲気とも巧く同居させることに成功しています。簡単にいってしまえばフューチャリスティックなトムボーイ風というか。あれ。
Style.comのNicole Phelpsの評にもあるとおりBalenciaga的なものを感じないわけではないのですが、そこはここ10年くらいは避け難いところでしょうなあ。。。
昨シーズンの春夏で突然遅れてきたフューチャリスティックなコレクションで、個人的にはかなり評価下がっていたのですが、よりグラフィカルな要素をうまく抽出してトライバルに転換し、スキーウェア的なアスレチックな要素と組み合わせることで、これまでのRag & Boneらしいロックでシックでどこか温かい雰囲気とも巧く同居させることに成功しています。簡単にいってしまえばフューチャリスティックなトムボーイ風というか。あれ。
Style.comのNicole Phelpsの評にもあるとおりBalenciaga的なものを感じないわけではないのですが、そこはここ10年くらいは避け難いところでしょうなあ。。。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW Nicole Miller
Nicole Millerの2011-12年の秋冬コレクション。
もしかしたらNYFWで最大のサプライズのひとつかもしれません。Style.comのMeenal Mistryの指摘にもあるとおり、Pre-Fallの時点でこれは・・・という部分もあったのですが、ここまでグラフィカルでフューチャリスティックなコレクションに仕上げてくるとは。ジオメトリックな柄を大胆に取り入れてくることは最近でもあったような気はしますけれど。
映画「ガタカ」のUma Thurmanといった例を引き合いに出したりもされていますが、SF的な静謐さが強めにでているところですかねー。個人的にはグラデーションの具合とかにちょっとPaul Kleeの抽象画も思い起こしたりもしました。肩をはじめシルエットがストロングで色もグレーやブラックに乗せているのでNicole Millerにしては強さが前面に出過ぎているのが気になるところではありますが。
個人的には結構好きではあります。
もしかしたらNYFWで最大のサプライズのひとつかもしれません。Style.comのMeenal Mistryの指摘にもあるとおり、Pre-Fallの時点でこれは・・・という部分もあったのですが、ここまでグラフィカルでフューチャリスティックなコレクションに仕上げてくるとは。ジオメトリックな柄を大胆に取り入れてくることは最近でもあったような気はしますけれど。
映画「ガタカ」のUma Thurmanといった例を引き合いに出したりもされていますが、SF的な静謐さが強めにでているところですかねー。個人的にはグラデーションの具合とかにちょっとPaul Kleeの抽象画も思い起こしたりもしました。肩をはじめシルエットがストロングで色もグレーやブラックに乗せているのでNicole Millerにしては強さが前面に出過ぎているのが気になるところではありますが。
個人的には結構好きではあります。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW NAHM
Nary MonivongによるNAHMの2011−12年の春夏コレクション。
こちらも基本ルックのピックアップだけで。初のプレゼンテーションのようでAlly Hilfigerも関わっているとか。NAHMという名前もNary MonivongとAlly Hilfigerのイニシャルのアナグラムの組み合わせということのようです。
シャツドレス中心のコレクションとなっていますが、足元やボトム、あるいはアウターとのスタイリング次第で様々な表情を見せてくれそうなアイテムがずらり。これは普通に売れるのではないですか。と。
こちらも基本ルックのピックアップだけで。初のプレゼンテーションのようでAlly Hilfigerも関わっているとか。NAHMという名前もNary MonivongとAlly Hilfigerのイニシャルのアナグラムの組み合わせということのようです。
シャツドレス中心のコレクションとなっていますが、足元やボトム、あるいはアウターとのスタイリング次第で様々な表情を見せてくれそうなアイテムがずらり。これは普通に売れるのではないですか。と。
2011.02.13 Sunday
2011-12AW Willow
Kit WillowによるWillowの2011−12年の秋冬コレクション。
ルックだけピックアップ。ボディコンシャスな昨シーズンに比べると少し緩めのシルエットになりバイカーなテイストの強いコレクションに。前半の格子模様の展開がおもしろい。後半のメタリックなアイテムが個人的には好み。
ルックだけピックアップ。ボディコンシャスな昨シーズンに比べると少し緩めのシルエットになりバイカーなテイストの強いコレクションに。前半の格子模様の展開がおもしろい。後半のメタリックなアイテムが個人的には好み。