コソの出来事

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告白 / 湊かなえ
2011.01.10 Monday

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

強烈にいまさら感があるのですが。湊かなえの「告白」を新大河ドラマの「江」を横目に眺めたりしながら読みました。

映画版はどうやら原作のPVと化しているらしい(映像としてはおもしろいようだけれど)ということで、ひとまず原作読まないまま観たくないと思っているうちに公開も終わってしまい(いつの話だ)、そのうちコミックとかが微妙に無料公開されている時期があったりして、ストーリーというか主要なイベントはほとんどネタバレ状態だったのですが、なんとなく。

ともかく第六章「伝道者」の森口悠子のこの言葉が一番印象的。

私は桜宮の行為を受け入れることができませんでした。私の幸せなどと言いながら、死の瞬間まで、親であるよりも、教師であろうとした彼を許すことができませんでした。もちろん、彼に守られたあなた方を許せるはずがありません。

本当の等身大とはこういうことと思った次第。簡単に許せるわけがないし、更生なんてそう簡単にしないし。

もともと小説は全然読まないひとなのですが、ここ1年くらいで読んだ「惡人」「死ねばいいのに」「となり町戦争」の中では当然のように一番身近に感じられるお話ではありましたよ。特に「惡人」も「死ねばいいのに」は日常に潜む悪意と日常をつなぎとめるなにか、みたいなところで似通っている部分はありますけれども。

とりあえず原作読んだのでDVDのレンタルが始まったら映画も眺めてみたいと思っております。
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ヤフー・トピックスの作り方
2010.04.21 Wednesday
またまたひさしぶりのブログ更新ですが、しかもめずらしく読後感想という。

今回ご紹介するのは、「ヤフー・トピックスの作り方」。

ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書 454)

著書は読売新聞の記者を経て、1998年から10年以上に渡ってヤフー・トピックスの編集に携わり、現在はメディア編集部長となっている奥村倫弘氏です。

私個人はユーザとしてはまったくYahoo!は使わないので、当然トピックスから情報を得ることもないのですが、新聞やテレビといったメディアの報道機関としての在り方が、インターネットメディアがより身近な日常として浸透している状況で問われる中で、独自の取材機能を持たない「日本最大のまとめサイト」とも言えるヤフー・トピックスがどのように運営されているのか、ちょっと気になったわけです。

本書の中で著者が、トピックスを「ニュースを軸としたリンク集」と表現しているとおり、3500本の配信記事から60本を選んでトピックスとするその作業は、ある意味私が毎日RSSリーダに入ってくる1000件以上のエントリから選んでDeliciousに登録したり、Twitterに書いてみたりしていることの相似形。

ただしそれがヤフーという日本最大のインターネットサイトを器とすると、また事情が変わってくるわけですよね。サイトの規模が拡大し、数千万というユーザがアクセスするようになり、誰から求められたわけではない「公共性」という見えない足枷を自らに課すようになるわけです。といってもここでいう「公共性」とは、突き詰めてしまうと新聞的社会的使命感と誰も不快にさせないような、最大公約数的な編集方針のことを指しているわけで。そこにYahoo! JAPANが抱えている問題の縮図のようなものが少し見え隠れするような気がするのですよね。

いやもちろん現状でのビジネスとしての判断は正しいのだと思うのだけれど。少し飛躍しますがニュースのパーソナライズの件もそういったことなのかなーと思ったり。それがまた、人力登録のディレクトリサイトというYahoo!のルーツを最も色濃く残すヤフー・トピックスから感じられるというのも、なかなかに感慨深いものでございます。

いずれにしても、メディアや編集に関わる方は、さらっと目を通されると良いのではないかと思いますです。読み物としても丁寧に書かれているし。

そういえば、期を同じくして出版された、市ヶ谷経済新聞の編集長である菅野夕霧の「ヤフートピックスを狙え―史上最強メディアの活用法」も併せて読むと、より面白いかも。ただこちらはヤフー・トピックスの詳細な事例集と特にヤフー・トピックスにこだわらず、パブリシティのネタ探しの超基本が書いてあるだけなので、知っているひとからすると特に新しいことはないと思いますが。
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