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2005.08.28 Sunday

2006SS Mens Dior Homme

2006SSメンズのレビューの最後はディオール・オム。色々と理由がありまして、UPするのがこんなに遅くなってしまいましたー。まあ大したことではないのだけれど。

さて、デザイナーのエディ・スリマンの今回のインスピレーションの源は、最近リリースされた自身3作目の写真集"London Birth of a Cult"でもfeatureされていたThe BabyshamblesのPete Doherty。当の本人はショーには現れなかったようですが。

ジャケットもパンツもいつも以上に細身。ディテール長めのテイルもジャケットの細さを強調しています。

コレクション全体の雰囲気は、ミラノでもパリでも見られた今季の隠れトレンドの一つであるモッズ。ショーでThe Rakes(スリマンがロンドンで見つけた新人バンドらしい)が演奏した"The world was a mess but his hair was perfect"という曲のタイトルがまさにぴったり。こういう言い方が正しいのかどうかはわからないが、Pete Dohertyという新しいポップ/ファッション・アイコンも、ニュー・ウェーヴを経た21世紀のモッズなのかもしれない。

他に注目のアイテムはポークパイ・ハット(頂が平らなフェルト製のソフト帽)、シングルブレストのミリタリー・ジャケット、短めのトレンチやクロップト・パンツ。ジャケットも、ミドリフでばっさり切り落としたり、燕尾もテールの前後を逆にしたりと刺激的。モノクロに赤みも加えたチェック柄や極端に細いサスペンデッドも気になります。

太めのストライプがエンボスされたレザージャケットも素敵だ。白いスーパー・ナロータイがまぶしいね。グレーのパンツがもしかしたら今季のディオール・オムではマストアイテムかも。

レッド、イエロー、ブルーのビビッドカラーのシャツも綺麗。ゴールドやシルバーのミドリフ丈のジャケットやスリマン流のトラック・ジャケットも黒いシャツとパンツと合わせたスタイリングでシックなのにグラマラスな雰囲気に。もう欲しいアイテム満載です。

最近知ったのだけれど、サンローランのパートナーだったピエール・ベルジェがスリマンのバックについているのだね。今回のショーにもベルナール・アルノーやカール・ラガーフェルド、アズディン・アライア、そして"Another Magazine"のジェファーソン・ハックといった面々と共にフロント・ロウに並んでいたそうな。そうそう、ミック・ジャガーがカール大帝の隣に座っている写真もありました。

メンズは当分彼の時代が続きそう。それと、髪型変えましたね。彼。
























3865211690 Hedi Slimane: London Birth of a Cult
Hedi Slimane
Steidl Publishing

2005-09
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2005.08.04 Thursday

2006SS Mens

実は最後にディオール・オムのレビューを用意しているのです。
というかもう書いてはあるのだが、ちょっとした理由でまだ投稿していないのでした。

まあちゃんとまとめる時間がないというのもありますが。。。
明日には、と思ってます。

そんなことより、オートクチュールがー。ディオール&ジバンシイが素晴らしいです。
2005.07.31 Sunday

2006SS John Galliano Mens

本当は今週はオートクチュールのレビューを書きたかったのだけれど、そこまでの気力なくて叶わず。。。というわけでひとまず2006SSメンズを終わらせます。

最近落ち着いてきたディオールでのお仕事と比較すると、より自分の好きなようにやってるんだろうなあと思うジョン・ガリアーノのシグニチャー。もともとメンズの人だし、レディスも勿論好きなのだけれど、ディオールで見れない分、また別の楽しみが。「自分で着る」という視点から言えば、ディオールとシグニチャーというガリアーノによる2つの選択肢がある女性がうらやましい(笑)。

それはさておき、フォーマルなイブニングでスタートした今季は、ストリート・ミュージシャンたちがメインのテーマの一つ。実際にモデルとして、ランウェイにもたくさん登場しています。そして彼が最近旅行したという、南アメリカからインスパイアされたと思われる作品も多く見られました。

サイケな花柄のプリントを多様したスカーフやジャケットやパンツ。同様のモチーフがアクセントとして使われているブラウンのレザーコート。パッチワークのデニムのボトムなど。今季もパワフルなアイテムがたっぷり。

が、彼のメンズラインにおいて、キーとなるアイテムは一貫してベスト。今回も様々なスタイリングで登場しています。まだあまり街では見かけないけれど、そろそろフォーマルなテイストのベストをストリートに落とし込んだこの合わせ方、そろそろチャレンジしてみても良いかもね。ちょっと着てみたくなりました。

そしてなによりもジャケット。もともとテイラードには定評のある彼だけに、やはり美しい。ちょっと肩幅とか大きそうなのだけれど、小柄なデザイナー本人のサイズに合わせたものがあるはず!という期待のもとに、いつか手にしたいと思っているのですが(笑)。

終盤、花びらの舞うなか並んだサイケなプリントが施されたものや、アパラチアのあたりの民族衣裳を思い起こさせる作品に続き、いつものようにご本人が登場。

レディスのコレクションと同じレベルの興奮と感動をメンズのショーにもたらすことができる人がいるとすれば、それは彼だけです。よく人々が、ディオールにおいて彼が壊したというパリの正統が、単なる伝統の退屈な焼き直しを意味するのなら、それを見直した(ドミニク・シロやアルマーニのような)コレクションが一見美しかったとしても、僕はガリアーノの奇抜なファンタジーを支持します。ことコレクションという場とデザイナーには、人々に夢を見せる力があるのに、それをちゃんと使わないのであれば、それは犯罪というものだ。そういう意味で、WWDの7/13号のインタビューの中で山本耀司が語っていたことは、正しいのかも。「ショーで見せるコレクションと展示会で見せる服。同じ服でもこれはもう全く違うものだと思っている」というコメントも含めて。

ビジネスといいうのはコレクションの副産物だと思っている。ビジネスのためにコレクションがあるんじゃあない。売るためにコレクションをやるのではない。服とそのクリエイションを見せるためにコレクションをやってきた。ビジネスはその結果として出てくるもの。
なーんて、長くなってしまったが、単純にガリアーノが好きなのです。ほんとに。































2005.07.23 Saturday

2006SS Kris Van Assche Mens

ディオール・オムでエディ・スリマンの片腕として活躍していたクリス・ヴァン・アッシュの2回目のコレクション。

ともかく印象的なのが、ボトムの膝下あたりまでのロールアップとアシンメトリーなトップス。ボトムに関してはロールアップしていないものでは、床まで届くくらいの長さのものが殆ど。とはいえ、リラックスしていたり脱力した雰囲気はなく、かなりフォーマルなテイストでスタイリングされているところがポイント。ロマンティックで繊細だが、フェミニンに流れず、むしろマスキュリンな印象を与えるバランスも素晴らしい。

トラディショナルな求婚者のように帽子を胸に当てていたり。赤い帽子、欲しいです。僕個人としては、ノースリーブって相当嫌いなんだけど、彼のタンクトップのようなベスト使いなんかは良いかも。自分ではしないと思うけど(笑)。

闘牛士やタンゴ・ダンサーにインスパイアされたという今季だが、色使いなどではなく、シャツやベストのディテールや全体のボリューム感で表現されているところがおもしろい。普段着の現代風闘牛士をモノクロ映画で見ているような。2005-06AWの時は気付かなかったのだけれど、クリス・ヴァン・アッシュのグレーってとても美しい。

終盤に登場した袴風の作品はちょっとナゾなものの(数シーズン前の山本耀司を思い起こさせる)、才能を感じさせる今後期待のクリス・ヴァン・アッシュでした。























2005.07.23 Saturday

2006SS Ann Demeulemeester Mens

初のメンズのオンリー・ショーを行ったアン・ドゥムルメステール。今回はいつもよりLazyな雰囲気。

ロールアップしたボトムに、疲れた感じのジャケット。トップスはたっぷりとした、丈も長いロングスリーブが中心。ペンキをブラシで描きなぐったグラフィティっぽい柄が印象的。色は基本的にモノクロームだけれど、時折加えられるくすんだピンクがちょっと気になる。デザイナー曰く"How can a sculptor wear pink?"。素材でもcrinkledなコットンやリネンが多様されて、気だるさを演出してます。

彫刻家アントワーヌ・ブールデルの作品が並んだ会場で行われた今回のコレクション。男性的で構築的な作風のブールデルとは対照的な、アン・ドゥムルメステールでした。















2005.07.21 Thursday

2006SS GIVENCHY Mens

今週中は気楽にメンズを見て行きます。来週は気合入れてクチュールのレビューを。

今日はオズワルド・ボーテングによるジバンシイ。ディオール・オムに続くLVMH内のメンズ成功例になるか期待がかかるところだが、まだそこまで大ブレイクって様子ではないのかな。じわじわと広がっていると思うけど。

これまでも、一番似合うのはデザイナー当人なんじゃあないかという路線は変わらないのだが、今回は色々と遊びの要素を盛り込んだコレクションになってました。

ゴールドのレザーのボンバージャケットに同素材のタイを合わせて、いかにもブルジョワなメゾンのテイストにちょっと軽薄なイメージを加えてみたり。トップスではトロンプルイユも結構見られました。

色使いは、いかにもボーテングな感じ。白いパンツに黒やダークグレーのジャケットを合わせ、渋めの赤やイエローのシャツなどを合わせるスタイリング。ブラウンのシューズやバッグが映えます。

実はここのバッグなどの小物、ディオールより気になったりするのだよね。普段使いでも不自然にならなそうだし。ディオールはどうしてもモノとして美しすぎるので、手に入れても使わずに家で時々眺めたり撫でたりして喜ぶパターンになりそうな(笑)。

なんかタイをパンツにインしているモデルが多かったのだけれど、これを見て松本人志を思い出してしまうのは、日本人だけですね(笑)。

最後には当然デザイナーご本人が登場。なんにせよ、いつもよりちょっとタフな雰囲気で個人的に興味を魅かれたジバンシイでした。





















2005.07.17 Sunday

2006SS Yves Saint Luaren Rive Gauche Mens

メンズも3シーズン目のステファノ・ピラティによるイヴ・サンローラン・リヴゴーシュ。もうメンズで好きなデザイナーのTOP3に入っちゃいます。相当良いです。レディスはというと、まだいまひとつなのだけれどね。

今回のテーマはモロッコ。サンローランにとってのモロッコ(正確に言うと最近売りに出したという御大の別称のあるマラケシュかな)は、主要なモチーフの一つだから、このメゾンのアーカイブを尊重しているピラティにすれば当然かつ妥当な選択。とはいえ、マラケシュそのままではなく、ピラティの頭にあったのは、その半生をモロッコで過ごし1999年にタンジールで亡くなった、アメリカ人作家のポール・ボウルズ。ベルナルド・ベルトリッチによって映画化された「シェルタリング・スカイ」が特に有名なのかな。

ただ実際のコレクションは、これみよがしにエスニックではないところがポイント。いつものピラティのデザインよりもリラックスした雰囲気になってはいるが。20世紀前半、北アフリカでふらふらしていたちょっとお金のあるヨーロッパ人を現代に呼び戻してみたら、こんな格好をしているんじゃないだろうか、というイメージ。

カラーパレットもアースカラーや淡いスカイカラーが多く用いられている以外は、今季ミラノで多く見られたようなプリントに頼るのではなく、ボトムのストライプやジャケットのパターン柄で北アフリカのテイストをモダンにエレガントに表現。

テイラード・ジャケットやタキシードは、期待どおりの完璧なシルエット。小物ではレオパール柄のサンダルやスリッポンがおもしろいね。

シーズンを重ねる毎に完成度が上がってきているように思います。今季に関していえば、素晴らしいコレクションであることは言うまでもないのですが、それ以上に完全に僕の好み(笑)。こういうスタイルが似合うようになりたいですな。ほんと。
























B00006LY20 シェルタリング・スカイ
ジョン・マルコヴィッチ デブラ・ウィンガー キャンベル・スコット ベルナルド・ベルトルッチ
アスミック

2002-11-22
おすすめ平均 
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2005.07.16 Saturday

2006SS Viktor&Rolf Mens

さて早々にパリにやってきました。正直メンズ直後にスタートしたクチュールが気になってしょうがないのだが、まあ2006SSのプレタが始まるまでにはまだ時間があるのでね。

今日は敬愛するヴィクター&ロルフ。今回はランウェイではなく、彼らのショールームで行ったようです。メンズでは母国であるオランダのテイストを強く打ち出す彼らですが、前回のオランダ海軍に続き、今回は農村部の風景にインスパイアされたコレクション。白いたっぷりしたシャツに黒のベスト、ロールアップした広めのパンツ。オランダ特有のあのはりめぐされた用水路をモチーフにしたようなグリッド・パターンがセーターに見られますそういうつもりで見ると、シャツやパンツの様々な太さのストライプも同じような意図に感じられます。カラーパレットは淡い水色やグレー、白を中心にクリーンな印象。

navalも前回のようにメインのテーマではないとはいえ、ピーコートなどのアイテムも。fooded sweatなどについている組み紐も海軍を思い起こさせるディテールです。

点数は多くなさそうだけれど、イヴニング・スーツもいつもどおり素敵だね。

それはそうと、なんかモデルがみんなマーク・ジェイコブスっぽく見えてしまうのは私だけでしょうか(笑)?ここ数年で随分と立派な体格になってしまった彼と似てるなんていうとモデルの皆さんには失礼かもしれませんが・・・



















2005.07.11 Monday

2006SS Costume National Mens

ミラノはあまりにもつまらなかったので、もう早々に切り上げちゃいます。が、その前にエンニョ・カパサのコスチューム・ナショナルを。

いつもと全然違うコレクションでどうしちゃったの?という感じなのだが、今回は50'sの"rebel"な雰囲気を全面に。British VogueではDanny Zukoなんかにも言及してます。1978年の"Grease"という映画でJohn Travoltaが演じた役名です。相手役はオリビア・ニュートン=ジョンという50'sを描いた学園モノ。
でもなかなか良いです。アイテムがどうこうというよりは、スタイリングの問題でもありますが。50'sのロックな反逆精神にフォーカスしながらも、カパサが手がけるとエレガントでドレッシー。

テイラード・ジャケットやウェスト・コートに細いストライプのボトムを合わせ、インには緩く締めたナロー・タイにはだけたシャツ。髪は後ろになでつけた感じで。トランプ柄なんかもベタだけど、ちょっと気になるモチーフ。

実はここの服って色も以外と好きだったりするのだよね。スモーキーなブラックやグレーのジャッケットに、黄色や赤のシャツを刺し色として使ったりとか。鮮やかなピンクやブルーのシャツやタイとの組み合わせも素敵です。

ジーンズもちらほら。でもやはりジャケットが綺麗だなあ。こういうコレクションを見ると、またジャケットが欲しくなります。これまで黒ばっかりだから、今度はグレーに挑戦してみたいと思う次第。

なんだろう、メンズって書きにくいな(笑)。レディスに比べると変化のポイントが少ないし、やはり自分で着ることも多少考えちゃるからか。

















2005.07.08 Friday

2006SS Burberry Prorsum Mens

それでもLife Goes On. というわけでまずはクリストファー・ベイリーによるバーバリー・プローサムから。

まさに王道のトレンチで幕を上げたコレクション。バーバリーのアイコンであるチェックをはじめとしたパターン柄ののタイやシャツ、ネイビーのジャケットがプレッピーな雰囲気。同じ濃紺のカーディガンニットに細かいパターンのシャツ&タイ、グリーンのパンツを合わせたり。ピンクなどパステルカラーも充実。普通に春っぽくて和みます。が、そこで甘くなりすぎず、コレクション全体を引き締めているもう一つのもう一つの大きなテーマが、ミリタリー。アーミーとネイビーのテイストがうまくミックスされているような印象。ディテールでは大き目のゴールドのボタンが多様されています。ベーシックなトレンチも良いけれど、ベイリーの作るミリタリーなアウターもおもしろい。

それにしてもニットやキャスケットでのパターンの使い方が素晴らしい。バーバリーのアーカイブをもはや自在に扱って、モダンな作品へと昇華させています。これまでベイリーのバーバリーってすごい欲しいとは思わなかったのだけれど、今回のコレクションの中には、いくつか実際にアイテムとしても気になるものがちらほら。。。

終盤に登場したフラワープリントのシャツやパンツも素敵だね。写真家であり、マーガレット王女の前夫としても有名なLord Snowdon(スノードン伯)=Antony Armstrong-Jonesにinspireされたとのこと。

全体ののスタイリングも、つかわれているモチーフも、そしてコレクションのインスピレーションとなったDavid HicksやPatrick Lichfieldといったiconicな人物たちも、すべてが究めてイギリス的。たぶん、ベイリーのメンズ最高傑作。

ロンドン市民に神のご加護があらんことを。





















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